原宿の巨匠とLAの実力派。異色のコラボレーションがジーンズを変える

2018.11.30 06:50

メンズウェアには定番と呼ばれるアイテムが多い。レディスに比べて服のバリエーションが少ないうえに、男性が保守的なものを好む傾向にあるところが大きい。メンズファッションにおいて重要なのは、限られたアイテムチョイスのうえでどう違いを出すかというところにある。そんな定番のなかでも、とりわけ王道というべきはやはりジーンズだろう。かつてアメリカのゴールドラッシュを支えたワークウェアは、現代においては立派なおしゃれ着として君臨している。そんな誰しもがはいたことがあるだろう定番ボトムスに、この冬ちょっとした事件が起きた。

近ごろのジーンズは、本来のゴワっとした着心地とは違う快適さを備えたものが主流となっている。そしてロサンゼルス発の『ヤヌーク』が作るデニムウェアはその代表格。リヨセルを入れた混紡糸を使用することでソフトな風合いと弾力性を生み、さらに高いストレッチ性で柔らかなはき心地を実現した逸品が揃っている。同ブランドが今回タッグを組んだのは、原宿の有名ヴィンテージショップ「ベルベルジン」の藤原 裕氏。ちなみに、“フジワラ”さんではなく“フジハラ”さん。そんな間違いも笑って許してくれる心の広い氏だが、ジーンズに対する知識は広く、深い。アメリカのリーバイ・ストラウス本社と直々に掛け合い、ヴィンテージデニムの教科書とも呼ぶべき写真集『THE 501XX-A COLLECTION OF VINTAGE JEANS-』を手掛けたことからも、氏のジーンズに対する情熱を知ることができる。

今作「ヤヌーク×ユタカ フジハラ コラボレーションデニム」は、快適さのうえに、昔ながらのツウ好みなデザイン&ディテールが載ったハイブリッドなジーンズだ。メンズは3型、レディスは2型が用意されるが、メンズはすべて藤原氏が特別な愛を注ぐ1946年モデル、いわゆる“大戦モデル”の終盤がベース。当時は戦時中という時代背景から、物資統制のためにボタンやリベット、ステッチが省略され、袋布に残布が使われるなど、さまざまな簡略化の波がジーンズに押し寄せたが、今作では大戦が終了する1947年直前の1年、過渡期とも呼べる時期にフォーカスし、見事に表現している。そのうえで『ヤヌーク』ならではのストレッチ性により最高のコンフォートさを提供しているのだ。

ラインアップは3種類。糊づけを施し、これからの経年変化を存分に楽しめる「デッドストック」を選ぶか、1度も洗わずにはき込んだようなハチノスとヒゲを載せた「エイジング」にするか。はたまた、洗いながらも無頓着にはき続けたような色落ちで、右太もも裏の”マッチ痕”と呼ばれるマニア泣かせのディテールを備えた「セカンドハンド」に決めるか。この選択肢の幅も、メンズに許された数少ない、けれど重要なおしゃれの分岐点として楽しみたいところだ。

Text_Naoki Masuyama

DATA

カイタックインターナショナル

03-5722-3684

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ジーンズ
ヤヌーク(YANUK)
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