腕時計好きを夢中にさせるオープンワークがおもしろい

文字盤に窓を開けて脱進機の動きが見える時計から、文字盤がシースルーのモデルまで、今は入手しやすい価格帯でひしめきあっています。そんなおもしろ時計をご紹介します。

黒野 一刻

2015.12.02

機構を見せる時計は、一般的ではありませんでした

もともと文字盤に窓を開けて、時計の機構を見せようとする時計は一般的ではありませんでした。文字盤をなくし、ムーブメントに肉抜きを施した時計は存在していましたが、製造の難易度が極めて高く、それこそ限定モデルといった希少性のある時計でした。しかし、オープン文字盤という発想の転換により、時代は大きく動きました。

今や誰もが時計のメカニズムに親しめます

1990年代にオープン文字盤というアイデアを実現すると、時計ファンは熱心に支持し、たちまち多くのブランドに広まりました。時計全体がロープライス化すると、オープン文字盤はおろか、スケルトンウォッチにも廉価なモデルが登場。ここでは比較的アプローチしやすいオープンワークスモデルを集めました。

誰でもいつでも、機械の動作を楽しめます

オープン文字盤の原点ブランド『フレデリック・コンスタント』カレ ハートビート&デイト

文字盤に小窓を開けて、時計の精度の根幹である脱進機を見せようという発想は、1994年に新興ブランドの『フレデリック・コンスタント』が実現したものです。このアイデアは大ヒットし、以来、追随者が絶えません。この時計は、最初のオープン文字盤モデル、ハートビートの雰囲気を最もよく伝える時計です。

この装備で4万円なら人気にもなります『オロビアンコ』タイムオラ オラクラシカ

正規価格が4万円台の機械式時計というと、格安品のイメージがありますが、この時計はそんなイメージを覆します。文字盤の仕上げは丁寧で装飾も堂に入っており、文字盤の内側6時~1時にかけて開けられた窓から見える時計のメカニズムは、機械好きには堪らない動きを見せます。人気なのも当然のモデルです。

ブランドのイメージを覆した時計『エドックス』レ・ヴォベール オープン ハート オートマチック

パワーボートやラリーとの関係でスポーツ系ブランドに思われがちな『エドックス』ですが、実はエレガントな時計も得意とし、このレ・ヴォベールは、入荷した時に日本のファンの評価を一変させたものです。薄型にして、12時位置の窓から脱進機の動きの見える時計は、それまでのスポーツ系のファンの心をもつかんだのです。

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スケルトンの精緻さを好価格で『エポス』エモーション スケルトン

オープン文字盤の隆盛により、文字盤やムーブメントをスケルトン化する時計も、低価格化が促進されました。『エポス』はその先駆けというべきブランドで、スケルトン文字盤を日本の正規価格でアンダー20万円で提供。これは機械式時計が高価格化していた2000年前後だったら考えられない価格設定です。

ドイツの若い職人魂の権化『シャウボーグ ウォッチ』ウニカトリウム パレオンオロロジー

高級腕時計の低価格化に寄与したのは、ドイツの小規模工房系ブランドの力は大きいものがあります。北ドイツのシャウボーグ(シャウムブルク)地方の小さな町で工房を営むこのブランドも、信じられないくらい芸術的な意匠を施したスケルトンウォッチで有名です。この最新モデルは“骨”をモチーフにした彫金が独創的です。

意表を突かれたスケルトンモデル『ハミルトン』ジャズマスター ヴューマティック スケルトン

『ハミルトン』はミリタリーや航空系という先入観があったため、この時計がリリースされた2013年には、意表を突かれた思いがありました。ムーブメントメーカーのETAと共同開発したH-20は、見事なスケルトン化の技術の下で作られており、信頼性は高いまま装飾性もたっぷりの好仕上げが目を惹きます。

アメリカントラッドのオープン文字盤『ブルックス ブラザーズ』コアコレクション オープンハート

アメリカントラッドの申し子ともいうべきブランドですが、腕時計はセイコーネクステージが製作しています。日本製の高品質で、文字盤9時位置に小窓を設け、脱進機の動きを見せています。12時位置にさりげなくロゴを配し、全体として余計な装飾性がないため、機械の健気な動きがよく伝わってきます。

『ブローバ』ブローバ オートマチック 96A170

クォーツショックで一旦は途絶えた伝統あるアメリカンブランドですが、現在は、エンパイアステートビルに本社を置いて復活を遂げています。文字盤のセンター寄りをフルオープンし、エッチングを施したムーブメントの装飾は控えめで渋く、コアな時計ファン好みです。裏面もシースルーで、時計の機構の勉強になります。

どうしたらアンダー10万円になるのか不思議『アルカフトゥーラ』23145NNSKRGBK

時計商社のユーロパッションのプライベートブランドの一作ですが、2万円台という価格設定の自動巻きというだけでも、目を疑います。しかも、第2時間帯表示や昼夜表示まで付いて、2つの香箱を装備し、駆動時間は60時間。ここまで見事なスケルトンウォッチで、桁をひとつ間違っていないかと思ってしまいます。

国産のオープン文字盤はクラシック志向『オリエント』オリエント スター WZ0151DK

流行のブルー文字盤ながら、ケースの造作とダイヤルデザインは、非常にレトロシックにまとめていて、メッシュブレスも似合っています。文字盤9時位置に開けた窓から、脱進機の動きが見えるようになっており、オープン文字盤が腕時計の黎明期からあったと勘違いしてしまいそうになるほど好デザインです。

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