印象や性格を決める。腕時計のベゼルを名称別に紹介!

ベゼルというのは、一般には風防ガラスを抑える枠なのですが、デザインも機能もさまざま。今回はそんなベゼルに着目して、時計とその機能を紹介・解説していきます。

黒野 一刻

2015.11.18

時計の姿を決めてしまうパーツです

ベゼルというのは、風防のガラスを縁取っているパーツです。時計のケースに表側から強力にはめ込まれ、風防を押さえるパーツです。それだけ聞けば「額縁みたいだね」と思うのですが、実はこのベゼルは、時計の第一印象だけでなく、機能まで決定的に決めてしまうことがあり、絵画や写真の額縁とは、大きく異なっています。

装飾だけでなく、機能的役割も大きいのです

ダイバーズのベゼルが典型的で、ベゼルが潜水時間の記録機能を持っているため、ユーザーの命を左右する要と言えます。しかも、その回転ベゼルはダイナミックな印象を時計に与え、デザイン面でも時計の性格を決めてしまうのです。ベゼルに対する知識や理解が深まると、時計そのものへの理解も深まります。奥の深いベゼルの世界ですが、ここからはタイプごとに紹介していきましょう。

Type1高級化の第一歩、フルーテッドベゼル

時計は『ロレックス』デイトジャストII。『ロレックス』のデイトジャスト、デイデイトで多く採用されているスタイルで、ベゼルにウェーブがかかったようなギザギザのカットが入れられているスタイルです。手の込んだ彫金技術が必要で、陰影が生ずることで、ベゼルへの注目度が高まり、高級時計の第一歩的な装飾です。

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Type2最も古典的な、コインエッジ

時計は『オリス』ビッグクラウン ポインター デイト。コインの縁に見られるような、細やかなギザギザを入れる装飾技法は、ケースサイドやリューズにも見られますが、特に際立って見えるのはベゼルの箇所です。天才時計師アブラアン=ルイ・ブレゲが18世紀に考案し、高級時計の代名詞的な装飾になっています。

Type3文字盤装飾だった、クル・ド・パリ

時計は『パテック フィリップ』カラトラバ 5119。これもアブラアン=ルイ・ブレゲが考案した装飾ですが、元々は文字盤装飾でした。細やかなピラミッドを碁盤目に刻んだ姿が“パリの石畳”の街路を思わせるところからの命名です。これは職人が手旋盤を使って刻み入れる手仕事の究極技で、最高級レベルの装飾です。

Type4ダイバーの潜水時間を計測する、逆回転防止ベゼル

時計は『ロレックス』サブマリーナー デイト。時間をベゼルで記録するアイディアは1920年代の航空時計であったのですが、本格的に普及したのは、1950年代にダイバーズウォッチが登場してからです。サブマリーナーは黎明期から続くダイバーズで、回転ベゼルで潜水時間を記録するスタイルを定着させました。

Type5第2時間帯を表示する、GMT用回転ベゼル

時計は『ロレックス』GMTマスターII。『ロレックス』はベゼルの計測機能の実現に熱心で、ダイバーズ以外にも、第2時間帯を表示する機能を考案しました。センターに24時間針を置き、ベゼルに24時間インデックスを配し、それを回転させることで、時分針以外の時刻を表示させ、パイロットウォッチとして普及させました。

Type6計測機能をすっきり見せる、タキメーターベゼル

時計は『オメガ』スピードマスター コーアクシャル クロノメーター。クロノグラフのタキメーターは、平均時速の算出できる便利な計測機能です。ところが、クロノグラフの文字盤はごちゃつきやすく、瞬間的な把握が難しい欠点がありました。そこで、ベゼルにタキメーターを配し、文字盤をすっきりさせる方法が定着しました。

Type7時計をダイナミックに見せる、ビス留めベゼル

時計は『オーデマ ピゲ』ロイヤル オーク オフショア ダイバー。現代的なスポーツウォッチにおいて、よりダイナミックに時計を見せるデザインを模索するなかで定着したのが、ベゼルをビス留めにするというスタイルです。ロイヤル オークのようにラグジュアリースポーツモデルで多く見られ、力強い印象があります。

Type8パイロット向けの、カウントダウン式回転ベゼル

時計は『ジン』モデル103 クラシック リミテッド。時間の把握の仕方にもいろいろあり、ダイバーズに便利な回転ベゼルも、高速で反復運動をする軍用機のパイロットの場合、「あと何分?」という時間把握のしやすい方式が求められました。こうして生まれたのが、逆行するようにインデックスを配した回転ベゼルです。

Type9インナーリングを操作する、アウトベゼル

時計は『ブライトリング』モンブリラン01。ブライトリングは1942年に汎用計算尺、1952年に航空計算尺を時計に組み込みましたが、その操作機能をアウトベゼルに持たせました。アウトベゼルを回せば、それに応じて、文字盤外周のインナーリングが回転し、計算が可能。腕時計が航法機器の役割も担ったのです。

Type10時計を方位自身代わりにできる、方位計ベゼル

時計は『セイコー』ファイブスポーツ オートマティック。時計の時針を太陽に向けた時、12時と自身の中間点が南を指し、24時間針を装備していれば、その先端が北を差します。それに応じてベゼルに配された方位インデックスを合わせて、時針を太陽に向ければ、瞬時に方位の判別が可能になります。

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