ソールを知れば、シューズ選びが何倍も楽しくなる

靴選びにおいてデザイン性は当然重要な要素。ただ、それは履き心地の良さがあってこそで、その履き心地を左右する部位こそソール。ソールを知れば靴を見る目も変わるはず。

菊地 亮

2015.08.19

多くの専門ブランドがもっとも重要視するシューズの黒子役

普段は目立たないが部位だが、シューズの根幹を担うのは紛れもなくソール。長時間足を通すだけに、クッション性、耐久性、柔軟性、グリップ力など、つきつめるべき要素は多分にある。だからこそ、これまでに様々なソールが誕生し縁の下で支えてきたのだ。ここでは、その一部を紐解きながら代表的な1足を紹介していく。

Type1ラグソール

1935年、ヴィターレ・ブラマーニ氏が機能的でグリップ力に優れたラグソールを開発。車のスパイクタイヤのように明確な凹凸をつけたゴム製の靴底で、通称“ラギッドソール”とも呼ばれるほどに厳めしい表情からも高い堅牢さを感じさせる。軽量で地面からの衝撃も難なく吸収することから、ロガーブーツや山靴などへ多用。

Item1『レッド・ウィング』のラインマンブーツ

20世紀初頭、数ある職種の中でもラインマン(配線工)はもっとも危険な仕事と言われてきた。そんな彼らの足元を支えてきたのがレッド・ウィングの同作。彼らの要望を組んだレース・トゥ・トゥというつま先までシューレースを通した内羽根式で作られ、今は当時よりも丈を縮め、アッパーにはブラッククロームレザーを採用。

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Type2ダイナイトソール

正式名称はスタッデッドソール。英国のハルボロラバー社で製造され、原型は1910年にまでさかのぼるが、当時の形をほぼほぼとどめて今にいたる。グリップ力に優れる丸型の突起を複数備え、それが側面から見えにくいため足元はすっきりとした印象に。しかも、凹凸が少ない分、底についた泥などを払い落としやすいのも利点。

Item2『トリッカーズ』のカントリーブーツ

古くから英国で親しまれてきた名門ブランド、『トリッカーズ』のスタンダードモデル。アッパーの艶やかで肉厚な牛革、ダイナイトソール、そしてグッドイヤーウェルト製法による仕上げは堅牢性も十分。丸みのあるトゥは英国靴ならではの素朴さを伝え、そこに施されたブローギングによる装飾は、足元を華やかに演出してくれる。

Type3チェーントレッドソール

その名が示すように、チェーンのようなトレッドパターンを配したゴム製ソール。足場の悪い森林内や湿地帯を歩き回り狩猟をおこなうハンターたちのために、L.L.ビーン社がハンティングブーツ用に開発し一躍有名に。グリップ力に優れ、耐久性が高いだけでなく、柔軟性もあるため長時間の歩行もしっかりフォローしてくれる。

Item3『L.L.ビーン』のビーンブーツ

1912年、レオン・レオンウッド・ビーンが最初に開発したアイテムとしてあまりにも有名なこちら。ソールには、お馴染みのチェーントレッドソールを取り入れ安定感をプラス。耐久性も高いため、街中はもちろんアウトドアフィールドでも威力を発揮する。トゥを覆ったラバーに、防水性の高い革を採用しているため雨天時も安心だ。

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Type4エアクッションソール

ドイツ人医師、クラウス・マエーテン氏らの手により誕生。きっかけは、1945年に負ったスキー中の事故のケガで、その痛みをやわらげるべく友人と開発したものである。小さく仕切られた空間がいくつも取りつけられた英国を代表するソールで、別名バウンシングソールと呼ばれるほどに弾むような歩行性が魅力的だ。

Item4『ドクターマーチン』の8ホールブーツ

通称“マーチンソール”と呼ばれていることからも分かるように、ドクターマーチンブーツ最大の特徴。60年に、R.グリックス社がドクターマーチンの商標を獲得。同年4月1日にこの8ホールブーツが誕生し、その生年月日から1460Zと命名された。歩きやすく丈夫なワークブーツで親しまれ、その後ミュージシャンたちの相棒に。

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Type5リッジウェイソール

ダイナイトソール同様、ハルボロラバー社で製作され1930年代から作り続けられているソール。“あぜ道”とのモデル名が示すように、あぜ道のようなヒレを細かく配置したことで粗雑な道でもしっかり対応する。線で足を支えるため安定感があり履き心地はいたってソフトで、外羽根式のカジュアルな革靴にひんぱんに採用されている。

Item5『クロケット&ジョーンズ』のモールトンシューズ

オン・オフを兼用できる流行に左右されないUチップの原型とも言われるブランドの代表モデル。クッション性の高いリッジウェイソールを採用することで、快適な履き心地を実現。アッパーには最高級のカーフレザーを採用しているので、はきこむほどに足に馴染み、エイジングも楽しむことができる。

Type6トラクショントレッドソール

レッド・ウィングを語る上で欠かせないのがこのソール。別名クレープソールやホワイトソールとも呼ばれ、1952年にアイリッシュセッターへ初めて採用。悪路を歩いても足音が立ちにくいため狩猟用靴に広く使われた。グッドイヤーウェルト製法で取り付けられ、今ではほとんどのモデルにこちらのソールを用いている。

Item6『レッド・ウィング』のアイリッシュセッターワークブーツ

『レッド・ウィング』と言われてイメージする人も多い、アイリッシュセッター。本品はアメリカを代表するワークブーツであり、クラシックなスタイルを変えることなく今日まで続くロングセラーモデルの中でもファンの多い、発売当初の織タグを採用する“犬タグ”復刻モデル。アメカジスタイルには欠かせない1足だ。

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