日本のメガネは、デザインでも世界最高クラス

日本のメガネの96%を生産する福井県鯖江市のメガネ工房や工場の技術は、世界中の賞賛を浴びています。そんな鯖江の技術をベースに、デザインも大きく進化しているのです。

黒野 一刻

2015.07.24

メタルでも、プラスチックでも超一流

日本のメガネフレームの生産シェアを地域別に見ると、9割超を福岡県鯖江市が占めています。技術的な蓄積は、プラスチックフレームでも、メタルフレームでも突出し、海外メーカーからの委託生産も引っ切りなしです。あの有名海外ブランドも……という例も多く、その技術は世界に冠たると表現しても間違いではありません。

自前の高級ブランドが育ってくる

1990年以降、鯖江のメガネの様相は変わってきました。地元に根ざした生産者とデザイナーたちが手を携え、鯖江オリジナルのメガネを手がけるようになったのです。海外ブランドの委託やライセンスではなく、オリジナリティを追求する勢力が地元に生まれ、その輪が広がり、さまざまなブランドが急速に日本に増えたのです。

デザイン性も多様に育つ

今回取り上げるブランドは、日本のアイウェアシーンを先導し、比較的コンサバティブな『杉本圭』『イエローズ プラス』、機能本位の『スペックエスパス』『9999.9』、アバンギャルドな『レス ザン ヒューマン』とデザインの個性も明確です。そして、ここに紹介したブランドだけでは、まだ氷山の一角に過ぎないのです。

日本の誇るアイウェアデザインは、こちら……

この丸メガネは手作業がすごい『杉本 圭』KS-64 2

デザイナーの杉本圭彦氏の好デザインと細部まで作り込む鯖江の職人の手腕が合体。流行の丸メガネですが、金属パーツの彫金は非常に手が込んでいて、テンプルの表面も滑らかそのもの。フロントにアセテートを巻きつける技法は、古典的な技の巧みさが際立ち、アイウェア・オブ・ザ・イヤー常連のすごみが感じられます。

このクラッシクフォルムでチタン製です『イエローズプラス』HARRY-20G

素材や機能を優先させることで見失われてきた形を優先するというコンセプトが独創的なブランドです。このフレームも細身のウェリントンで、クラシカルなアセテートモデルと思わせて、実は、チタンモデルです。これだけのシートチタンの切り出しや整形には大変な技術が必要で、デザインを実現する技術力には脱帽ものです。

先端的なフォルムにヴィンテージ感を『999.9』S-503T

ヒンジの独自のバネ構造や医療用シリコンによる鼻パッドなどで、最高のかけ心地と言われる『999.9』らしいメタルフレームモデルです。温和なスクエアのフロントに、シャープさを与えるブリッジが特徴的です。機能性を徹底的に追求していますが、カラーをゴールドに仕上げることで、巧みにヴィンテージ感を出しています。

ネジのない特殊設計です『スペックエスパス』ES-6086

メガネで空間を生み出すというコンセプトが興味深いブランドで、このフレームはフロントからヨロイにかけてをシートメタルから切り出し、特殊樹脂のテンプルをセット。メガネ全体がバネのような弾力的な構造と素材使いで、まさに異次元の空間を作り出したようなメガネです。これもまた、鯖江の町工場で製造されたのです。

アバンギャルドに攻めたいなら、これしかない『レス ザン ヒューマン』Gattaca

「人間以下」という人を喰ったようなブランド名。そのデザインもアナーキックでアバンギャルドと表現するのにふさわしく、このフレームも裏地をほかではありえないキリン柄を“チラ見せ”するデザインです。さらにアンダーリム型のフレームに、無理やり上辺のバーを乗せたような構造も型破りで、まさに前衛的です。

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