機械式時計に面白みを与えるプチコンって知ってる?

機械式時計のメカには、時計に面白みを与えてくれるプチ・コンプリケーションと呼ばれるものがあります。趣味のステップアップを狙うなら、そんなプチコンが狙い目です。

黒野 一刻

2015.07.12

複雑機構にも、いろいろ種類がありまして

“複雑”を意味するコンプリケーション(Complication)は、飛びきり複雑な機構を持った時計の呼び方です。基本的には、トゥールビヨンや永久カレンダー、ミニッツリピーターといった飛びきりに難解な時計に当てはまります。しかし、もう少しアプローチしやすく、ほどほどに複雑というメカニズムも腕時計にはあるのです。

“プチ”だからと言ってバカにできません

フランス語の「小」を付けたプチ・コンプリケーション、英語の「半」を付けたセミ・コンプリケーションと呼ぶ機構が、それに当てはまります。例えばトリプルカレンダーは日付、曜日に加えて、月まで表示。それに月齢表示がつこうものなら、ムーブメントの表側はデスクや歯車でいっぱい。製造難易度もバカになりません。

脱入門者を目指すなら狙い目

プチと言っても、普通の時計よりはるかに難易度は高いのです。ですが、近年までの世界不況で、時計の価格はグッと下がり、今はプチコンプリに非常に手が届きやすくなりました。円安の影響が本格化する前の今こそ、狙い目かもしれません。ここでは脱初心者を目指すにはうってつけの5つのメカニズムを紹介します。

トリプルカレンダー+ムーンフェイズ『ボーム&メルシエ』クリフトン ムーンフェイズ

ファンの裾野を広げるエントリーブランドを自認するブランドにあって、月・曜日・日付の3種類のカレンダー表示を持ち、ムーンフェイズ(月齢表示)も装備する時計は、レギュラーモデルの最上位クラスです。日付を指針式とするのは古典的にして正統派。多表示の時計は、見ていて楽しく、飽きが来ないことを実感できます。

扇型の上を針が反復運針する『オリエント』オリエントスター レトログラード

レトログラードは「反復」を意味しており、扇形の表示板の上を運針し、端に到達すると一瞬で針が出発位置に戻る仕組みを指します。この時計は、日付表示と曜日表示を持ち、曜日表示がレトログラードです。日曜の真夜中近辺に、針の瞬間移動を見るのが楽しみになり、週明けを気分よく迎える張り合いになるかもしれません。

日付の視認性をアップするビッグデイト『エドックス』クロノオフショア1 クロノグラフ ビッグデイト

ビッグデイトとは、1の位と10の位を、別個のディスクで表示する日付表示のことを指します。機構は複雑化する代わり、省スペース化が図れ、採用例が近年増えています。この時計もクロノグラフに、ビッグデイトを並行搭載し、機構のシンプル化を図っています。ダイナミックなデザインの中で、高い視認性も発揮しています。

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駆動時間が長いほどうれしいパワーリザーブ表示『エベラール』8デイズ グランタイユ

駆動時間の長い機械式時計は、ついついゼンマイを巻き忘れてしまうもの。そこで便利なのが、ゼンマイ残量を示すパワーリザーブ表示です。この時計は手巻きでも8日間も駆動し、コストパフォーマンスに優れています。文字盤の扇型の表示が、8日間のゼンマイ残量を示し、休日にゼンマイを巻くタイミングを教えてくれます。

時・分・秒針を見間違えないレギュレーター『ルイ・エラール』エクセレンス レギュレーター

レギュレーターは、懐中時計の時代、時計師が時刻調整の時に、時・分・秒を取り違えないよう、表示位置を別個にして作った自前の時計のスタイルでした。視認性がしっかりしている時計を便利に思う現代人にも、この仕組みは魅力的で、デザイン的にも独創性にあふれています。この時計は良心価格で、仕上げも良好です。

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