やさしい空間へ誘うハンス・J・ウェグナーの木製家具

木製家具があるだけで、部屋は趣深く柔らかな空気で満たされる。そこに居心地を求めるのなら、最高峰の木工技術と見識により生み出されたウェグナーの作品は確実に必要だ。

菊地 亮

2015.06.09

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“デニッシュモダン”を世に広めた、20世紀を代表するデザイナー

mono HAUS

彼の作品には木製が多い。それもそのはず。インテリアデザイナーとして名を馳せる前は、名工とうたわれた家具職人、H.F.スタールベアのもとで修業を重ね、17歳で家具職人の資格を取得しているのだ。その木工技術と造詣の深さ、そして探究心で数多くの名作を生み出している。

“椅子の巨匠”によって仕上げられた、今もなお愛される名モデル

彼が手掛けてきたインテリアの中でも、とりわけ膨大な作品数を誇るモノといえば断然チェア。その数は500脚以上を数え、世界中から畏敬の念を込め“椅子の巨匠”と呼ばれている。しかも、ほとんどが長きにわたって愛され続けているモノばかり。権威のあるコンペティションで入賞してきたアイテムも決して少なくはない。

Yチェア

BICASA

数あるコレクションの中で驚異的なセールスを記録したことから、多くの人々が彼の代表作として開口一番にあげるモデル。1949年にデザインされ、翌年にカール・ハンセン&サン社で生産をはじめたこちらは、背中を支える柔らかな曲線を描いた笠木とペーパーコート張りの座面がやさしく体を支え、安らぎをもたらしてくれる。

ザ チェア

ABC INTERIOR

1950年に発表したこちらは、当初あまりにも簡素なデザインゆえに周囲の評価も高くなかった。ただ、10年後、米国大統領選前のテレビで行われたジョン・F・ケネディとリチャード・ニクソンの討論会の際に使用され、一躍有名に。以降、確実に評価を高め、今では“世界でもっとも美しい椅子”と称賛されている。

ピーコックチェア

英国の伝統的椅子であるウィンザーチェアから着想を得てデザインされたアイテム。まるでクジャクが羽を広げたようなビジュアルから、ピーコックチェア、もしくはスピンドルが矢に見えることからアローチェアとも呼ばれる。しかも、背もたれは人間工学に基づいたデザインで、平面部分が肩甲骨にあたるよう作られているのだ。

ハンス・J・ウェグナーのインテリアはチェアだけではない!

北欧家具のモック工芸

世界的にもよく知られるのは当然チェアだが、ほかにも彼が手掛けたインテリアは数多く存在する。そのどれもが秀逸で、まさに知る人ぞ知る名品と言われているのだ。特に注目すべきはテーブルとサイドボード。素材にこだわり、実用性を考慮した彼のプライドが集約された作品といえる。そのさまは実に優美で、まさに一生モノ。

エクステンション丸テーブル

designshop

品質を重視した工芸デザインを、伝統的製作法で仕上げるPPモブラー社からの依頼により作られたダイニングテーブル。デンマーク産の上質な木材を贅沢に使って仕上げられたアイテムで、ハンス・J・ウェグナーが1975年にデザイン。木目の美しさやシンプルなデザイン、木と木の自然なつなぎ目など、“らしさ”が随所にのぞく。

サイドボード

ファビュラスモダーンズ

木のもつ美しさはもちろん、シェルフなどにも見られるように実用的収納を意識したデザインはハンス・J・ウェグナーの特筆すべきポイントといえる。デスクもまたしかり。シンプルな引き出しの内側には幅の異なる複数の棚がセットされ、それぞれ用途や収納するモノによって使い分けられるよう考えぬかれた仕様に。

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ハンス・J・ウェグナー(Hans Jorgensen Wegner)
インテリア
家具
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