サマーニットとは?
ニットの代表的なアイテムといえば、ふんわりとしたタッチと温かさがポイントのウール製セーター。サマーニットも、編み方などの構成要素は変わらない。ただ、肌触りと通気性に定評のあるコットン、清涼感あふれるシャリっとした質感が独特なリネン、べとつかず機能的なポリエステルなどで作られているのがサマーニットの特徴といえる。
春夏に頼りたい。サマーニット10選
前述したように、サマーニットはセーターと違いすがすがしく、べとつきがない。しかも、従来の品の良さはしっかりとキープできる、まさに大人にうれしいアイテムの筆頭。中でも今季おすすめのアイテムを厳選して紹介する。
『ルトロワ』
丸胴編み機を使い低速で編み込まれたシームレス素材、マイユでも知られるカットソーブランド。世界的にも知られる着心地やフランスらしいエスプリの効いたディテールワークはこのニットにも。ラグランスリーブで身幅がゆったりしているため着やすいのもうれしい。
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『ザノーネ』
イタリアのスローウェアグループが展開するニットブランド。超極細番手の糸で編み上げられたこちらは、ひんやりとしっとりの双方が楽しめる触感が特徴。肩幅をタイトにし、背面に縫い目が寄る“肩イセ”という手法をとっているため、やさしく優雅な見た目に。
『ロベルトコリーナ』
某ビッグメゾンのアイテムも手掛けていたイタリアのファクトリーブランドだけに、細部にわたる仕事っぷりは圧巻。細番手のコットンとリネンをミックスしたケーブル編みニットは、薄手のハイゲージ編みで通気性がよく見た目もエレガンス。配色の美しさも目を見張る。
『オーラリー』
使用しているのは、世界的にも有名なコットンの産地、エジプトの超長綿のギザコットン。その無撚糸を編み込む特殊な紡績法により仕上げた糸を、ローゲージで編み込んだこだわり満載の一品だ。その迫力ある表情もさることながら、上品な光沢感や柔らかさも出色。
『コム・アーチ』
2014年秋冬からスタートした「コム・アーチ」は、クリスチャン・ディオールなどで経験を積んだジョー・マックがディレクションするニットウェアブランド。日本国内で紡績された糸を厳選し、それを今では数少ないニットデザイナーや職人たちと連携して仕上げる。
『ドゥルカマラ』
デザイナー與田尚子氏により2003年にスタートした、性別にとらわれず自由な発想の元展開しているブランド。女性ならではの柔らかく丸みのあるフォルムはこのニットにも存分に生かされている。ふんわりとしたコットン製でスウェットシャツのようなデザインが今っぽい。
『コベルト』
2013年にデザイナー仲間3人で立ち上げたイタリアの新進気鋭。彼らの略歴はほとんど明かされていないが、アイテムはモノ作りの本場、イタリアを思わせるこだわりに満ちている。ウールとコットンをミックスした生地は優しい着心地で、美しい縫製もお見事。
『ヴァンソン・エ・ミレイユ』
1950年代初頭、フランスのブルゴーニュ地方に誕生した老舗ワークウェアブランド。プロユースのアイテムも製作していただけにファッションウェアの出来栄えも優秀。こちらのニットは、コットン、レーヨン、和紙を混紡したもので、清涼感があり軽快な着用感を味わえる。
『メゾンフランネウール』
フランス屈指の実力派のニットは、工程の全てをイタリアにある同社のファクトリー内で行っている。熟練職人たちが伝統的技法を駆使し、希少な手動手編み機で丁寧に製作。そのため生産数は限られ、クオリティも高い。アシンメトリーなデザインも機微に富んでいる。
『オアグローリー』
素材や作りへのこだわりが強いことでも知られる国内ブランドのオアグリーリー。こちらは、強く撚ったサマーウールを使用しているため、軽やかで肌離れもよく、速乾性に優れる機能的な一面も持つ。しかも、仕上げに一度水を通しているため手洗いができるのも便利。
どう着こなすのがおしゃれ? サマーニットの活用術
サマーニットがこれからの季節にかなり重宝することは誰もがよく分かったはず。それを、存分に生かすのであれば、やはり着こなし方も心得ておかなければいけない。そこで、巷のサマーニット巧者から、スタイリングの極意を学びたい。
サマーニットのダブル使いでこなれ感倍増
夏に活躍するボトムスにショーツが挙げられる。ただ、ややもすると子供っぽくなりがち。そこでサマーニットが活躍する。ご覧のように、ニットT&ニットカーディガンのダブル使いならその不安は即解消。さらりと羽織るのもいいが肩掛けすればこなれ感も打ち出せる。
たっぷりなシルエットでボトムとギャップを作る
トップスのビッグシルエット化は、昨年からすでに浸透しているトレンドのひとつ。サマーニットを選ぶ際も、その点を意識したい。そこへ合わせるボトムスは細身のものを選んでギャップを構築。それにより、今どきな見た目とスマート効果の両方を手にすることができる。
織り柄のシルエットのメリハリで表情豊かに
サマーニットとワイドデニムのいたってシンプルな構成。通常であれば少々物足りないスタイリングに陥りがちだが、ニットにうっすらと織り柄の入ったアイテムを採用したことでさりげなく個性を演出。さらにワイドパンツでシルエットにメリハリをつければより表情豊かに仕上がる。
シックなセットアップのハズしに活きる
昨季にも増して、今年の夏はセットアップに注目が集まりそう。着こなすうえではやはり特有のかっちり感をどういなすかにかかってくる。そこでアーガイル柄をあしらったブルーニットをインナーへチョイスしたのが巧み。リブパンと相まって自然なカジュアルダウンを実践している。
全体をペールトーンで仕上げ清々しい雰囲気に
華々しい色は子供っぽく見えたり、頑張ってる感が出たりと扱いはやや難しい。かといってシーズン感も無視できない。となれば、全体をペールトーンでまとめるのがイージーかつ的確な対処法。随所にトーンの異なるカラーを挿せばさりげない変化もつけられる。
柄と小物で渋さを加えた大人のショーツスタイル
リラックスはできるが小僧感が気になるのは、ショーツをはくうえでよく聞く話。その不安をサマーニットが解決。霜降り調の味わいが乗ったデザインのものであれば、大人っぽさを助長することができる。さらにサングラスやえんじのニットキャップなら相乗効果も期待大。
モノトーンなら大人と今っぽさの両得がかなう
モノトーンの着こなしは、万能性とモダンさを兼ね備えた色の特性上気兼ねなくアプローチができる。そこへサマーニットを取り込めば、さらに大人っぽさが増すのは自明の理。気をつけるべきは色のバランス。ホワイトの割合を高めることにより夏にもすんなり溶け込む。
カラーニットでトレンド感とめいっぱいの遊び心を
鮮やかなカラーリングは季節柄、積極的に取り入れたいところ。ただ、取り入れ方を間違えれば無理をしている空気が暗に出てしまう。そこでサマーニット。アイテム特有の品の良さを備えているため、彩りで思う存分遊べる。ボトムスに落ち着いた色を選べば完璧。
アースカラーと素材感でアダルティに
ショーツをいかに大人っぽく着こなすか。それは夏を迎えるこの時期の永遠のテーマ。解答へと導くキーが“素材感”と“アースカラー”だ。インナーにニットをプラスしたことで上品さを演出。しかも、全体をアースカラーでまとめたことによりアジも加えている。
ニットTの採用とグラデ調の仕上げで違いをアピール
夏スタイルはTシャツとボトムスさえあれば完結する。ただ、それではやや単調に見えがちだ。そこで変化をつけるなら素材感がさりげなくて良い。ニットメイドならそれも難なく完遂。しかも、配色をグラデーション風に仕上げたことで、全体のまとまりも自然に見せられる。
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