実は知らないことだらけ。腕時計の基本知識を徹底紹介

見た目の良しあしは大事だが、より深く腕時計を知ることで選び方の幅も広がるはず。そこで、最低限知っておきたい腕時計の知識などを6つのテーマに分けて紹介する。

菊地 亮

2016.10.18

テーマ1:パーツの名と素材を心得ておくことは腕時計を持つ者のステータス

腕時計に心引かれても、なじめないのは数多くのパーツの名称ではないだろうか。複数の耳慣れない言葉でも、一度整理するだけで距離が縮まるはず。まずは、パーツや素材など腕時計を構成する基本的な用語から押さえていこう。

リューズ

長短針やカレンダーを合わせる、ゼンマイを巻くなどの操作を行うパーツ。ねじ込みタイプの場合は、一度反時計回りにリューズを巻いてロックを解除してから通常の操作へ。

ベゼル

風防の周りにあしらわれた円状のパーツ。防水性の確保やデザイン性だけでなく、2か国の時刻表示などにも使用。また、種類によっては固定式、回転式、逆回転式のものもある。

ケース

時計本体を外部からの衝撃、ホコリ、水気などから守る外装部品。形もラウンド型やトノー型などさまざまで、防水性をもたせたものや磁気に強いものなど各社によって工夫が見られる。

インデックス

ダイヤル上に配置された時や分を表す目盛り。アラビア数字のほかバー上の飾りで表現したもの、貴石をあしらったものなど種類も豊富で、視認性を高めるための趣向も凝らされている。

ガラス

ダイヤルを覆いながら保護している透明なパーツ。サファイアガラスや、ミネラルガラス、強化プラスチックなどが使われ、中にはカレンダーが拡大して見えるように手を加えたものもある。

ラグ

ケースから突き出た突起の形から、別名「足」とも呼ばれるディテール。ケースとベルトを連結させるための接合部分で、一般的なストレートラグのほかフレアードラグなど種類も多彩。

バンド

時計を腕へ装着するための部位。ブレスレット(金属製)、ベルト(革製やゴム製)など、種類もさまざまで、ビジネスやスポーツなど、用途によって付け替えられるモデルもある。

ステンレススチール

鉄やクロム、ニッケルなどで構成された素材で、サビにくいのが最大のストロングポイント。ステンレス自体100種類以上存在しているが、腕時計でよく使われるのは、316L。

イエローゴールド

75%のゴールドを使用し、さらに銀と銅をミックスした高級素材。残り25%の銀と銅の分量をコントロールすることで赤みの強いものから淡い色まで、色みを変化させることができる。

ローズゴールド

昨今、ラグジュアリーウォッチのトレンドに伴い人気が再燃してきた素材。ほかのゴールド素材とは異なり、色の奥深さや雰囲気が突出しているのが特徴で、高級腕時計にもよく使われる。

ホワイトゴールド

ゴールド、バナジウム、銅などで構成されたエレガントな素材。プラチナと間違えそうだが、素材の質感が秀でていて見た目にもリッチ。変色防止のためロジウムメッキを施す場合もある。

プラチナ

仄白く淡い光沢を放つ素材で、白金(はっきん)とも呼ばれるのがプラチナ。酸やサビに強く、加工もしやすいため腕時計に用いられる場合が多い。機能や種類で選びたい人にオススメ。

チタン

錆びない金属として有名なステンレススチールだが、こちらはさらにその上をいく。大型ケースの腕時計に使われることが多く、医療用具にも採用されるため金属アレルギーの人には心強い。

テーマ2:腕時計の中枢を知ればすごさがさらにわかる

テーマ1で紹介した基礎用語は、あくまでも基本。より腕時計と親しくなるには、腕時計の中枢に目を向ける必要がある。腕時計を腕時計たらしめる要素をのぞいてみよう。

手巻き

腕時計は、ムーブメント(ケース内にある動力機構部分)の中にある香箱などに収められた特殊合金のバネ(ゼンマイ)が巻き上げられて動く。手巻きは、それを自ら巻き上げる仕組み。技術革新による効率化などから自動巻きが主流になっているが、時計好きの間では根強い人気を誇る。

自動巻き

機械式時計のムーブメントに内蔵されているローターが、装着時の腕の動きなどに合わせて回転し、各歯車にパワーが伝達されることでゼンマイが自動的に巻き上げられる仕組み。メーカーによって方式もいろいろで、手巻きとは異なり“巻き止まり”がないのもポイント。

テーマ3:ソフト面にこだわりたければ最低限知っておきたい機能

誰もが耳にしたことがあるであろう“ダイバーズ”や“クロノグラフ”など、腕時計のソフト面に関する用語も忘れてはならい。どのような機能に特化した腕時計を求めるか、求める機能を有する腕時計は何かを探る指針となるはずだ。

ダイバーズ

海への潜水時にも活用できる、高度な防水処理が施された腕時計。その防水性能は最低100m以上などISO(国際標準化機構)などで厳しく定められており、それをパスして初めて認められる。潜水時間計測用の回転ベゼルも特徴のひとつ。

クロノグラフ

通常の時刻表示機能以外に、時間を記録するための機構であるストップウォッチ機能が搭載されている腕時計のこと。時計中心部にメーターが備えられていることが多く、リューズの操作でストップやスタートなどの操作を行う。

GMT

グリニッジ ミーン タイムの略称で、1884年の国際子午線会議の際、イギリスのグリニッジ天文台での天体観測をもとに決められた標準時間。一部例外を除き、24時間で1周する針を有し、複数の時間帯を表示できる機能。

クォーツ

水晶へ電圧をかけたときに生じる一定の振動数を電子回路が感知し、1秒分の振動数ごとにモーターが秒針を進める仕組みを備えた腕時計。精度の高さは機械式をしのぐ。世界初の一本は、1969年に『セイコー』が開発したアストロン。

永久カレンダー

別名、パーペチュアルカレンダーともいい、月ごとに異なる日数の違いや、4年に一度訪れるうるう年の微調整などを自動的にいってくれる機能。現行のモデルでは、2100年まで対応しているアイテムが大半を占める。

パワーリザーブ

機械式時計のしかも手巻きタイプの場合、放置しておけばやがては駆動が止まってしまい新たに巻き直さなければいけない。その稼働時間を教えてくれる機能がパワーリザーブで、アップアンドダウン表示と呼ぶこともある。

電波時計

情報通信研究機構が管理している標準時間の電波、標準電波は、24時間発信されている。それを1日に一度決まった時間に受信し、時刻情報へと変換。その時刻情報がモーターに伝達され、常に正確な時間へ修正してくれる時計。

トゥールビヨン

フランス語で渦巻きを意味するこの機構は、“時計の進歩を200年早めた男”として知られる、アブラアン・ルイ・ブレゲ氏が、1795年に発明したもの。重力によって生じる機械式腕時計の誤差を、補正してくれる複雑な仕組み。

合わせて読みたい:
トゥールビヨンの基礎知識。成功者が手にする超絶機構の教科書

テーマ4:○や□だけじゃない、印象を左右するケースデザインのあれこれ

腕時計のデザインを象徴するケース。好みが分かれるところではあるが、各ケースデザインについても押さえたい。

ラウンド

腕時計の中でもっともベーシックな形。シンプルな形は安心感を与え手に程良くなじんでくれる。中心から外縁までの距離が均等なことから高い気密性を備え、ダイバーズウォッチなどハードな仕様向けに採用されることが多い。

スクエア

1930年ごろに訪れたアール・デコの流行に影響を受け誕生したスクエア型。幾何学的な装飾様式には、今でも根強いファンがいる。ビッグケースのタイプに比較的多く、威厳と男性らしさをアピールしやすい形といえる。

レクタンギュラー

長方形を意味するレクタンギュラー型もまた、スクエア型と同様1930年代に見られたアール・デコのトレンドに伴い誕生したデザイン。幾何学様式の長方形をベースに作られ、縦長フォルムからドレッシーさも醸し出す。

クッション

スクエア型の板が、ラウンドフォルムの文字盤と重なりクッションの役割を担っているかのようなデザイン。クラシカルなアンティーク時計で使われていることが多く、やさしい雰囲気と味わい深い表情が見事に調和された形。

トノー

フランス語で樽を意味することからもわかるように、まるで樽のような独特な形状が印象的。以前はレディースモデルに多く見られたが、今ではメンズ時計にも積極的に起用。ブランドごとに色濃く出た特色から人気も高い。

テーマ5:針先の繊細な違いにもこだわってこそ大人

さりげなく、しかし確実に腕時計の印象を左右するのが時を示す針先のデザインだ。見落としがちではあるが、針先が異なるだけで印象は確実に変わるもの。各針先のデザインの背景にも着目してほしい。

ペンシル

その名のごとく、針の先端がまるで鉛筆の先端のように尖った形状の針。針自体が太めで、夜光塗料を塗る面積が広く、視認性をより高められるのが大きな利点。そのため、スポーツタイプのアイテムに多用されている。

バー

別名「バーバトン」と呼ばれるシンプルな1本の棒状でできた針。非常に簡易なデザインのため、汎用性が高くさまざまなタイプの腕時計で起用されている。細いタイプはドレス系、太いタイプはスポーツ系で用いられることが多い。

アロー

まるで弓矢の矢のごとく、針の先端が矢印の形でできた針。時針だけ、または分針だけ前述した形状になっているものもあり、そのフォルムの種類はさまざま。『オメガ』のブロードアローは、同社を象徴するディテール。

メルセデス

またの名を「ベンツ針」と呼ばれる針の形。ご覧になってもわかるように、先端のデザインはドイツの自動車メーカー、メルセデス ベンツの象徴的なマーク、スリーポインテッドスターのようだが同社とはまったく関係がない。

リーフ

針の中央部に膨らみをもたせた針で、その形状が葉に似ていることからこの名がついた。形もさまざまで、ダイヤのように角ばったクラシカルなタイプもあれば、美しい曲線を描いた細身でエレガントのタイプもある。

ブレゲ

腕時計の歴史の中で多くの功績を残してきた天才、アブラアン・ルイ・ブレゲ氏が考案した針のデザイン。細身の優雅な針でも確認しやすいよう、先には中央に穴を開けた円盤を配置。クラシックなモデルで採用されることが多い。

テーマ6:見た目も使い勝手も大満足な厳選腕時計

基本的な知識を押さえたら、やはり腕時計が欲しくなるのが当然ではないだろうか。ここでは、大人の男性に提案したい腕時計をラインアップ。ぜひ、ボーナス前の今の時期から狙いを定めておくことをおすすめする。

『ロレックス』エクスプローラーⅡ

『ロレックス』の名作に数えられるエクスプローラー。こちらは、2010年発表の後継で、従来のモデルと比べケースをサイズアップさせている。インデックスにはクロマライトを初起用。ムーブメントには、同社が5年の歳月をかけて開発したパラクロムヒゲゼンマイが組み込まれている。

合わせて読みたい:
王者ロレックス。我々を惹きつける人気モデルを知る

『オメガ』スピードマスター デイト

端正なルックスに加え、類まれな機能性を備えた同社の名盤中の名盤。NASAが宇宙空間で使用する時計を選定した際、同作だけが基準をクリアしたのは有名な話。こちらでも採用されている高度なムーブメント加工技術を要したコーアクシャルは、メンテナンスをほとんど必要としない。

『セイコー』アストロン

世界初のクォーツ時計としても知られるアスロトン。「精度革命が起きた」と世界中を席巻したモデルで、今もなお進化を遂げている。こちらは、GPS機能により位置情報と時刻情報を素早くキャッチし常に正確な時刻を表示。半永久的に動き続けるソーラー発電技術も秀逸。

『ハミルトン』ジャズマスタークロノオート

多彩なモデル数と圧倒的デザイン性で世界を魅了している『ハミルトン』。中でも、品と味わいを兼ね備えた傑作シリーズといわれるのがアメリカンクラシック。鉄道公式時計として活躍した時代を今に蘇らせた円熟味のある一本ながら、コスパに優れた点もうれしい。

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