その存在感は空にそびえるが如し……雲上ブランド

格式と伝統にあふれる「雲の上の存在」だから、雲上ブランド。貴重で入手困難、時計ファン憧れの時計も、並行輸入店をうまく利用すれば、アプローチできるかも……。

黒野 一刻

2015.03.28

「雲上」なのは理由がある

時計ブランドの中でも、極めて格式が高く、美しい装飾や丁寧な作り込み、革新的機構で「雲の上の存在」=「雲上ブランド」と呼ばれる名門があります。多くは息の長い老舗ブランドですが、ただ長く時計を作っていれば「雲上」と呼ばれる訳ではありません。高い創造性と技術をともなうからこそ、老舗になれたのです。

時代を作ってきたからこそ価値が高い

例えば、世界最高峰と謳われる『パテック フィリプ』は、懐中時計の時代に画期的なリューズ機構で「パテックの時計1つで家1軒が買える」と言われ、数えきれないほどの特許を取得しています。そんな技術革新の歴史をハイレベルな外装に包みこむことで、誰もが「最高峰」と認めるブランドになりえたのです。

ブランドそれぞれに際立つ個性

2世紀半を越える歴史を誇る『ヴァシュロン・コンスタンタン』、複雑機構の名人と呼ばれた『オーデマ ピゲ』、時計の歴史を200年早めた天才時計師の遺伝子を受け継ぐ『ブレゲ』、芸術的なムーブメント作りを継承する『A.ランゲ&ゾーネ』…これらのブランドも時計史に名を刻んできたからこそ「雲上」と呼ばれるのです。

世界最高峰のベーシック『パテック フィリップ』カラトラバ 5119

手巻き、センター2針+スモールセコンドのみの時計が、正規なら軽く200万円オーバー。しかし、クラシカルな文字盤は滑らかに仕上げられ、ベゼルのクルー・ド・パリと呼ばれる細やかな装飾も、シースルーバックから覗くムーブメントも、まさに美を感ずる仕上がり。正装にピッタリのドレスウォッチのお手本です。

最古級ブランドのシンプルモデル『ヴァシュロン・コンスタンタン』パトリモニー コンテンポラリー

一度も操業が途絶えることなく2015年で創業260年を迎えた最古クラスの時計ブランドが送るシンプルの極致。外装には一点の曇りもなく、ムーブメントもジュネーブ州法に基づく品質規格ジュネーブシールを取得した逸品。シンプルな時計はシンプルゆえに、ブランドの実力が如実に表れますが、そのことを実感できる時計です。

ラグジュアリースポーツの開拓者『オーデマ ピゲ』ロイヤル オーク

1973年に登場し、クォーツショックの最中に機械式時計で、ステンレス製のラグジュアリースポーツという分野を確立した名作。外観はスポーティで8角形のベゼルが個性を際立たせ、作り込みは懐中時計の時代から続く名人級の繊細さ。今や一大ファミリーを築き上げ、モテ男のための時計の代名詞的な存在になっています。

合わせて読みたい:
オーデマ ピゲの格。 一目置かれる腕時計の超絶技巧

ブレゲが考案した意匠をまとう『ブレゲ』クラシック 5930

創始者のアブラアン・ルイ・ブレゲは「時計の歴史を200年早めた」と評される天才時計師。彼の発明は意匠にも及び、この時計の文字盤のギョーシェ装飾、発色も美しいブルースチールの穴開き針であるブレゲ針、ケースサイドのコインエッジ装飾はブレゲ自身の考案によるもの。ムーブメントは最新技術で、96時間も駆動します。

職人の魂あふれる芸術的モデル『A.ランゲ&ゾーネ』ランゲ1

ドイツ・ザクセン王国の宮廷時計師の伝統を継承するブランドで、ドイツの東西分裂時代の操業停止から、不死鳥のように復活。ランゲ1は復興第1号モデルで、ムーブメントの芸術的な彫金が美しく、機能・デザインともに独創的です。2015年のSIHHで新型が発表され、この旧仕様は生産終了となるため希少性が上がります。

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