人気のインディアンジュエリーはアーティストで選ぶ。8名のおすすめ作家

人気のインディアンジュエリーはアーティストで選ぶ。8名のおすすめ作家

ファッションアイテムとしてもコレクターアイテムとしても多くのファンを擁するインディアンジュエリー。知っておきたい基本を押さえつつ、おすすめ作家とその作品を紹介。

那珂川廣太

2019.08.22

アクセサリー

今人気のインディアンジュエリーって、そもそもどんなもの?

インディアンジュエリーの歴史は、18世紀にインディアンたちが西洋人から手に入れた鍛治道具を使い、同じく白人が持ち込んだ硬貨を鋳潰したシルバーを素材にさまざまな装身具を作ったことに始まる。

今人気のインディアンジュエリーって、そもそもどんなもの?

マライカ楽天市場店マライカ楽天市場店

卍やアロー(矢)といった伝統的な模様や、インディアンにとって財産そのものであったターコイズなどを使って彩られたジュエリーは交易品として人気を博し、日本においては80年代以降のアメカジ人気に乗って定着。作家ごとに異なる個性を持ち、ジュエリーにセットされるターコイズも鉱山ごとにオリジナリティが豊かなため、ファッションアイテムとしてだけでなく、コレクションアイテムとして収集欲を刺激するのもインディアンジュエリーならではの魅力だ。

部族ごとに異なるデザインの特徴を知っておく

一口にインディアンといっても、平原部に暮らす部族から北部森林地帯に居住する部族まで、それぞれによって生活様式から宗教まで大きく異なる。もちろんジュエリー製作においても部族ごとに異なる特徴を有しているため、それらを知ることでお気に入りのジュエリーを見つける手助けになるはずだ。

その1スタンプワークを得意とする、最大勢力の「ナバホ族」

スタンプワークを得意とする、最大勢力の「ナバホ族」

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インディアンのなかでももっとも人口が多いのがナバホ族。アリゾナ州北東部からニューメキシコ州にまたがる砂漠地帯に居留し、古くからインディアンジュエリー製作を行っていた部族でもある。彼らが得意とするのが、オス(凸)型・メス(凹)型がセットになったスタンプやタガネを用いて立体的な模様を描き出すスタンプワーク。インディアンジュエリー黎明期の作り方をもっとも色濃く残した技法でもあり、手仕事ならではのプリミティブな温かみが特徴だ。

その2シルバーを貼り合わせて立体感を出す「ホピ族」のオーバーレイ

シルバーを貼り合わせて立体感を出す「ホピ族」のオーバーレイ

THE COUNTRY TOKYOTHE COUNTRY TOKYO

ナバホ族の居留地内にリザベーションを構えるホピ族。「平和の民」とも呼ばれる彼らが得意とするのが、薄いシルバーの板に模様を描いて切り抜き、それをシルバーの土台に貼り合わせることで立体感を生み出すオーバーレイだ。幾何学的なデザインや神話に登場するレインボーマン、サンフェイスなどの宗教的なモチーフを多用するのもホピ族の特徴として知られている。

その3細かくカットした石で彩る「ズニ族」のインレイ

人口12,000人ほどのズニ族が得意とするのは、ターコイズやサンゴ、シェルなどを細かくカットし、シルバーの土台に埋め込むことでモチーフを表現するインレイ技法。非常に手間のかかる製法であり、小さな村といった趣の居留区で、今でも時間をかけてハンドメイドで製作されている。また、ホピ族と同様に自分たちの精神文化を大切にしており、精霊や神話の登場人物をモチーフに多用するのも特徴だ。

インディアンジュエリーは、作り手であるアーティストで選ぶ

インディアンジュエリーの裏側を見てみれば、製作した作家のサインが施されていることに気づくだろう。インディアンジュエリーにおいては「誰が作ったか」が重視されることから、作家名がブランド名になっている場合がほとんど。有名アーティストの希少な作品ともなれば数十万の値がつくことも珍しくないのだ。

ナバホ族のおすすめアーティスト

インディアンのなかでも最大の人口を持つナバホ族ゆえに、有名アーティストも多数輩出している。ここではそのなかでも国内外で高い知名度を誇る作家を紹介したい。

▼アーティスト1:ゲーリー・リーブス

弟のサンシャイン・リーブス氏とともに有名作家として知られるゲーリー・リーブス氏。多作な作家でもあり国内の流通量も多いため、セレクトショップなどでその名前を聞いたことがある人も多いはず。惜しくも2014年に亡くなったため、今後は希少性が高まることが予想される。

アイテム1キャリコレイク スワスチカ バングル

キャリコレイク スワスチカ バングル

ムーヴクロージングムーヴクロージング

黄緑色のターコイズで知られるキャリコレイク鉱山の石を中央に配したバングル。サイドにアップリケされた卍はもともとインディアンにとって伝統的な柄であり、第二次大戦期にナチスが台頭する以前のジュエリーではよく使われた意匠。その伝統を踏まえて現代のジュエリーに復活させた。

アイテム2スタンプワーク ネックレストップ

スタンプワーク ネックレストップ

Abbot kinneyAbbot kinney

ゲーリー氏らしい巧みなスタンプワークが施されたネックレストップ。ゲーリー氏の作品といえばオリジナルで制作された星型のタガネを使ったコンテンポラリーなアイテムに目が行きがちだが、こちらは極めてクラシックなナバホスタイル。氏はヴィンテージのタガネの復刻も行っており、クラシックへの造詣が深いことがうかがえる。

▼アーティスト2:アーニー・リスター

1940年代以降に普及したシルバージュエリー用の技法や道具を用いず、古くから伝わる伝統的なシルバースミスの技法を守る作家として知られるアーニー・リスター氏。作品によっては古い硬貨を溶かしたコインシルバーを使用したり、通常のシルバーにコインシルバーを混ぜ込んだミックスシルバーを使用したりするなど、銀の質感にまでこだわった作品づくりを行っている。

アイテム1インゴットシルバー ブレスレット

インゴットシルバー ブレスレット

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1870年代から1900年代初頭のインディアンジュエリーを、見た目だけでなく技法の面からも再現。センター部分の盛り上がりやサイドの縄目模様も金床とタガネとハンマーワークのみによって立体感を生み出している。分厚いシルバーの重量感と、あえて完全に磨き上げずに仕上げたワイルドさも魅力だ。

アイテム2コインシルバー リング

コインシルバー リング

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モルガンダラーと呼ばれる古い銀貨を溶かして作ったインゴット(塊)を叩き伸ばして銀の板を作り、指輪に仕上げた1品。アーニー氏はズニ族のシルバージュエラーの家族に受け継がれているリーフカービングという技法をリスペクトしており、本作のターコイズにも施されている。

▼アーティスト3:リンドン・ツォーシー

2010年のサンタフェ・インディアン・マーケットでの受賞をはじめ、数多くの受賞経験で知られるリンドン・ツォーシー氏。ナバホ族が得意とするスタンプワークやトゥファキャスト(石の型に溶かした銀を流し込んでデザインを施す技法)などを用い、温かみのある作品を生み出している。

アイテム1コインシルバー ナジャ ペンダント

コインシルバー ナジャ ペンダント

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一説には紀元前フェニキア人の装飾に由来するとも、女性の子宮をかたどっているともいわれるナジャをモチーフにしたペンダントヘッド。コインシルバーを使用した質感豊かなナジャにあっさりとしたスタンプワークを施し、ブラックウェブが美しいキャンデラリア鉱山のターコイズを中央にセットした。

アイテム218K トゥファキャスト リング

18K トゥファキャスト リング

CocoleCocole

石灰質の柔らかい石を彫り込んで型を作り、金属を流し込んで形作るトゥファキャストの技法を使用したリング。採掘量が少なく希少かつ高価なランダーブルー鉱山のターコイズを使用し、18金を使用した台座の側面にはインレイでサンゴやラピスがセットされるなど、スペシャルな逸品。

▼アーティスト4:ジェニファー・カーティス

ナバホ族の有名作家であるトーマス・カーティス氏の娘で、父親譲りの大胆な作品と女性ならではの感性が融合した作品が特徴のジェニファー・カーティス氏。伝統的な技法を取り入れつつも、それにとらわれることなく現代的な作品を製作している。

アイテム1ハーフラウンド スタンプバングル

ハーフラウンド スタンプバングル

SandiaSandia

半円形のシルバーワイヤーを素材に、アシンメトリーなデザインを採用したコンテンポラリースタイルのバングル。父親譲りの深いスタンプワークや表面にやすりがけを行ってマットな質感に仕上げるなど、現代的なデザインのなかにインディアンジュエリーならではの技法を盛り込んでいる。

アイテム2ハンドスタンプ ペンダント

ハンドスタンプ ペンダント

SandiaSandia

オス型・メス型のタガネを用いて中央に立体感のあるシェルマークを配し、周囲にスタンプワークを施すことで花模様のようにみせたペンダントヘッド。伝統技法と女性ならではの感性がマッチしたジェニファー氏らしい作品。ユニセックスに着用できるのもうれしい。

ホピ族・ズニ族のおすすめアーティスト

得意とする技法は異なれど、ともに部族に伝わる精霊や神話をモチーフにした物語性豊かなデザインが特徴のホピ族とズニ族。そのなかでも、名実ともに優れたトップアーティストを1名ずつご紹介したい。

▼アーティスト5:ジェイソン・タカラ

ホピ族の巨匠として知られるジェイソン・タカラ氏はオーバーレイ技法の名手として有名。あらかじめ決められた型紙を使って模様を切り出すのではなく、インスピレーションに従って製作される作品は一つひとつ微妙に異なり、まさに一点モノとして所有欲を満たしてくれる。

アイテム114K メイズモチーフバングル

14K メイズモチーフバングル

POCKETポケットPOCKETポケット

ジェイソン・タカラ氏を象徴するモチーフである“マンインザメイズ(迷路の中の人)”を14Kで製作し、バングルの中央にセット。幅広なデザインのため、氏の作風である異素材の融合や巧みなオーバーレイの技術を存分に味わうことができる。

アイテム2ロードランナー スクエア ペンダントヘッド

「絵画のように楽しめる」という理由から、マンインザメイズと並んで人気なのがスクエア型のペンダントトップ。こちらはアメリカのアニメでもお馴染みの鳥、ロードランナーが振り返っている様子をコミカルに表現。約4mm厚で重厚感と立体感を持たせて仕上げている。

▼アーティスト6:レイラン&パティ・エダーキ

夫婦合作で作品を作ることが多いズニ族のなかでも、トップクラスの技術を有していることで知られるエダーキ夫妻。妻のパティ氏が石細工を担当し、夫のレイラン氏が銀細工を担当している。

アイテム1インレイブローチ

トウモロコシの精霊をモチーフにしたペンダントヘッドはサンゴやターコイズ、シェル、ブラックオニキスなどの複数の石を用いて製作。銀細工の巧みさもさることながら、トウモロコシの粒を表現するためにヘッド先端部のサンゴに細かな凹凸をつけるなど、石細工の細かさには目を見張るものがある。

アイテム2オイスターシェル 幅広バングル

ズニ族のアイコンともいえるサンフェイスを中央に配したバングルには透かし彫りが施され、幅広ながら涼しげな印象。厚みを持たせてセットされたインレイの石が彩りと立体感をプラスしており、伝統とモダンさが同居するコンテンポラリーな作品に仕上がっている。

その他部族のおすすめアーティスト

ナバホ、ホピ、ズニの三大ジュエリー部族以外にも、石を磨き上げたヒシネックレスを得意とするサントドミンゴ族をはじめ、個性豊かな作風を持つ部族やアーティストが存在する。そのなかで、ファッション界も注目している二大巨頭を紹介したい。

▼アーティスト7:シッピー・クレイジーホース

コチティ・プエブロ族に生まれ、伝説の職人ジョー・クワンタナ氏を父に持つシルバースミス。何度も銀を熱して叩き鍛えた鍛造銀を使用することでも知られ、指で弾くと高い音で響くのが作品の特徴。多くのブランドとコラボするなど、ファッション業界のなかでも高い評価を得ている。

アイテム1ガーディアン ペンダント

ガーディアン ペンダント

its 12 midnightits 12 midnight

幾何学的に守護天使(ガーディアン)を表現したペンダントヘッドとレザーコードの組み合わせ、鍛造銀ならではの肌合いを楽しめる一作。ヴィンテージのインディアンジュエリーには銀のスプーンを切り抜いて使用しているものも存在し、本作はそれらを意識してコンテンポラリースタイルで表現したと思われる。

アイテム2ブルージェム バングル

ブルージェム バングル

POCKETポケットPOCKETポケット

ナバホ族とは雰囲気の異なるプエブロスタイルのスタンプワークが施された鍛造銀のバングル。トラディショナルなスタイルながらもどこか現代的なのは、幅広い作風を手がけるシッピー氏だからこそ。中央にセットされたターコイズはブルージェム鉱山のものを使用している。

▼アーティスト8:カルヴィン・ロバト

ターコイズやシェルをビーズ状に磨き上げて作るヒシネックレスの名手として知られるサントドミンゴ族のアーティスト。すべての工程を手作業で仕上げる希少な職人としても知られており、作家名の刻印の代わりとしてメロンシェルで作られた正方形のビーズを使うことでも有名。

アイテム1ヒシ ネックレス

ヒシ ネックレス

FUNNYFUNNY

サーペンタイン、ブラックジェット、ターコイズ、ホワイトシェル、メロンシェルの5種類を使用した長さ47cmのヒシネックレス。ライムグリーンの爽やかな色味に加えて、石ならではの冷たい触感も夏にはうれしいところ。メロンシェルの正方形ビーズは金具付近にセットされている。

アイテム2ヒシ ピアス

ヒシ ピアス

FUNNYFUNNY

ターコイズのヒシに薄めのオリーブシェルをアクセントとして挟み込み、ピアスに仕立てた逸品。製作に膨大な時間が必要なヒシは、もともとインディアンの間では富の象徴であり儀式に使用する神聖なもの。ピアスならばさりげなく身に着けることが可能だ。

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