大人は“リネン服”で品と爽快感を手に入れる

大人は“リネン服”で品と爽快感を手に入れる

夏を気持ちよく過ごしたい大人は、自然とリネンのアイテムに手を伸ばす。涼をとれ、上品さも打ち出せることを承知しているからだ。そこで手に入れるべきアイテムとは。

菊地 亮

2015.07.14

トップス
シャツ
リネンシャツ

爽快な天然素材が夏の暑さから我々を救う最良の手段になる

本格的な夏の到来は、楽しさとともに“暑熱対策”という難題をも運んでくる。今なら機能素材もひとつの選択肢にあげられるが、タッチや風合いのナチュラルさという点においては天然素材に軍配が。中でも、ヨーロッパでは一般的とされるリネンは、我々のストレスを軽減する格好の素材となる。

リネンって何?

麻の一種ではあるが、黄麻(ジュート)、苧麻(ラミー)というように、日本では使用される植物の違いによってその呼び名も変わってくる。リネンは、フラックス(亜麻)と呼ばれる植物の茎から作られた生地。ドライなタッチや素朴な趣が最たる特徴で、素材の重みによって生まれる自然なドレープ感には上品さが漂う。

吸水性、発散性に優れた実用的な生地でほかの分野でも利用

上質な雰囲気を漂わせるリネンだが、実は“中身”も非常に優秀だ。高い吸水性を備えており、その水分吸収量はコットンの4倍。そのうえ、発散性も高いため高温多湿な日本の夏にはうってつけで、繊維内にはペクチンが含まれているため汚れや殺菌の浸透も回避。だからこそ、キッチンクロスなどの台所用品でも広く使われる。

水に濡れると生地の強度が増す性質をもつため洗濯も余裕

リネンは、ただでさえコットンと比べても強度が高い素材。それが水に濡れるとより強さを増すため、洗濯機でガシガシ洗えるところも重宝する要因だ。ただ、内に含むペクチンは熱に弱いため、水温を60℃以下にキープしたいところ。また、7〜8%ほどの縮みも見られるため、それらを視野に入れながらアイテムを選びたい。

夏に快適なリネンのアイテムをピックアップ

高級リネン生地のアイリッシュリネンなら最高の“気持ちいい”が味わえる

リネンは、ヨーロッパでは特に長い間親しまれてきた素材。ベルギーリネンやフレンチリネンは世界的にも有名で、それらを採用したアイテムは日本国内でもよく目にするが、質の高さや希少性から世界最高峰と称賛されるのがアイリッシュリネン。サラリとした肌触りと柔らかな風合いは群を抜き、着こむほどに肌になじんでいく。

Item1『エス.イー.エイチ.ケリー』のアイリッシュストライプリネンB.D.シャツ

『エス.イー.エイチ.ケリー』のアイリッシュストライプリネンB.D.シャツ

ROLROL

最高級のアイリッシュリネンを贅沢に使用したボディは、リネン特有のコシをもちつつガーゼのような軽やかな着心地。コンパクトなラウンドカラーはボタンを開けた時のバランスも考慮され、各所へ設けられたホーンボタンは、イングランド最古のファクトリーで仕上げられたもの。ボタンの大きさを変えたギミックも効いている。

Item2『ジェームスモルティマー』のアイリッシュリネンシャツ

1894年にアイルランドにて創業されたシャツ専業メーカー。当時から上質なシャツのディテールを守り続けることにこだわり、そのアイデンティティはこのシャツにも。最高峰のリネンを採用した生地は、肌触りが良く、ほどよい光沢が大人としての気品を存分に感じさせる。シルエットはラフに羽織れるコンフォートフィット。

Item3『フィナモレ』のセルジオ

イタリアのハンドメイドシャツの老舗『フィナモレ』の代表的モデル。厳選されたアイリッシュリネンを使用しているため、通常のリネンシャツと比べソフトで最高の肌触りを楽しめる。同モデルの象徴と言えるホリゾンタルカラーはエレガントな胸元を演出。また、裾をやや短めに設定し、外へ出しても着られるよう作られている。

トップメゾンや実力派ブランドもリネンに首ったけ

常に革新と挑戦を繰り返し、ファッションシーンに刺激を与えるトップクラスのブランドもまた、リネン素材のアイテムをコレクションへ取り入れている。それは、彼らがリネンのポテンシャルを高く評価している証拠。各ブランドともに、それぞれのカラーと仕掛けを加えながら、存分に素材の魅力を表現している。

Item1『グッチ』のスナップボタンダウン リネンドレスシャツ

モード感を備えた1着は、胸元に取り入れたノーチドボザムによりグッとエレガントに。クタ感のあるリネン100%のボディは爽やかかつ、やさしい着心地だ。カラーキーパーを内側に潜ませているため、端正な襟型はしっかりキープ。ボタンダウン仕様ではあるが、スナップボタンにすることでさり気ないヌケ感も加えている。

Item2『グッチ』のストール

質素になりがちな夏スタイルの処方箋としてうってつけのアイテム。優雅な佇まいはグッチならではで、裏使いしたかのような柔らかなカラーリングやささやかなフリンジがコーディネートのアクセントに効果的だ。その素材はと言うと、通気性も十分なリネンに、タッチの柔らかさを意識したコットンを取り入れた混成素材。

Item3『アルマーニコレッツォーニ』のシャツ

こちらは、ミラノの“3G”で名高いジョルジオ・アルマーニのディフュージョンライン。スーツを中心に展開してきただけに、シャツ1枚におけるパターンの美しさは出色。こちらは、使い勝手に優れたレギュラーカラーを採用し、ノータイでもシックにキマる仕様に。堅苦しさを取り除いた遊び心が軽快な印象だ。

Item4『ロベルト・コリーナ』のニットポロ

胸部にさり気なく施したレッドとブルーのラインが新鮮なニットポロ。身頃の生地をメランジ調に仕上げているため、さほど主張させず全体になじませたバランスの良さに、編み生地を長年追求しているブランドのクオリティがうかがえる。日本人の体型を意識し、全体をやや細身に仕上げている点も知的で新鮮な印象を生む要因に。

    KEYWORD関連キーワード

    BACK