よみがえるジェラルド・ジェンタのデザイン

よみがえるジェラルド・ジェンタのデザイン

『オーデマ ピゲ』ロイヤルオークなど、ラグジュアリーでベゼルのデザインに妙味のある時計は、1人の天才デザイナーが生み出しました。その定番デザインに注目です。

黒野 一刻

2015.06.28

腕時計

ジェラルド・ジェンタという天才

1人の男の頭脳から生まれたデザインが、複数のブランドで採用され、それぞれ1970年代から続く定番となっており、物故した後の最近になってもその進化バージョンが考案されている。そんなことがあれば、ジェラルド・ジェンタという人物が成し遂げた仕事は、間違いなく天才による偉業であったということなのです。

1960年代から複数のブランドにまたがり活躍

1960年代に『オメガ』のオーバルケースのデザインで知られるようになったジェンタは、1972年に『オーデマ ピゲ』ロイヤルオークのデザインを担当。この時計は、雲上ブランドのステンレス製ラグジュアリースポーツという分野を開拓し大成功。以後、『ブルガリ』『パテック フィリップ』『IWC』でヒットを飛ばします。

いまだに偉大な定番に

彼は自己の名を冠したブランドも立ちあげますが、それは1990年代に『ブルガリ』に買収。以後、新ブランドも立ちあげますが、2011年に亡くなってしまいます。しかし『ブルガリ』に買収された『ジェラルド・ジェンタ』は、ブルガリのコレクションとなり、新定番オクトへと発展。今もなお時計ファンに愛され続けているのです。

ひねりを効かせたチョイスが面白い

近年のオクトや『ブルガリ』のメモリアルで、ジェンタのデザインが脚光を浴びるなか、どうせ選ぶのならば、ベーシックよりひと捻り効いた仕様をチョイスしたいものです。それを可能にするほど、ジェンタがデザインした時計は各社で一大ファミリーを築いています。これこそ、ジェンタの豊かな創造性を証明しているのです。

旅時計で“船窓”のイメージを大切に『オーデマ ピゲ』ロイヤルオーク デュアルタイム

1972年に初登場のロイヤルオークはビス留めの八角形のベゼルが特徴的です。これは“船窓”をイメージし、見た目のインパクトの大きさが、ロイヤルオークの成功を招きました。この時計は、第2時間帯表示を搭載し、国境を股にかけて活躍する人に向いています。まさに船旅のイメージを強調した時計なのです。

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ベゼルの強さに負けないクロノグラフ『ブルガリ』ブルガリブルガリ クロノ

存在感のあるベゼルに、ブランドロゴを打刻したシンプルかつ強烈なデザインは1975年に初登場。この時計の成功から、ブルガリは時計の製作を本格化させ、ウォッチメーカーを宣言するほどになりました。現行のクロノグラフ仕様は毎時3万6000振動の超ハイビートで、デザインの強さに負けないメカニズムも買いの要素です。

未来的なフォルムを強耐磁時計に『IWC』インヂュニア オートマティック

強耐磁時計インヂュニアの初登場は1955年のことでしたが、1976年にジェンタがデザインしたインヂュニアSLが大きな人気を呼びました。インヂュニアSLは丸みを帯びたケースとベゼルの5つの穴が特徴的でしたが、現行のモデルは、ケースやブレスをソリッドなラインで構成し、ジェンタのデザインからの進化を見せ付けます。

一段上のスポーティエレガンスを『パテック フィリップ』ノーチラス クロノグラフ

1976年登場のジェンタのデザインで、もうひとつの大きな作品が、このノーチラスです。最高峰を謳われる『パテック フィリップ』もラグジュアリースポーツに参入したことで機械式の市場が活性化したのです。現行は、クロノグラフとホワイトの合わせ技で、スポーツ&エレガンスの両側面を強調したモデルが狙い目です。

ジェンタ・デザインのDNAの昇華『ブルガリ』オクト ヴェロチッシモ

ブランドとしての『ジェラルド・ジェンタ』は『ブルガリ』に吸収され、ジェンタのデザインから派生したスタイルを保ち、このオクトへとその遺伝子は発展しました。110の面を持つという立体感に、ソリッドなイメージのブレスもよく似合っており、新しいラグジュアリークロノグラフのスタイルを提案しています。

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