速さに魅せられた男の世界。今欲しいスポーツウォッチ3ブランド

速さに魅せられた男の世界。今欲しいスポーツウォッチ3ブランド

モータースポーツと腕時計の歴史は古く、そこから生まれたプロユースの逸品は本物を知る大人を魅了してきた。ここに、今手に入れるべき3ブランドをピックアップしよう。

編集ムタガミ

2017.12.25

腕時計

今欲しいのは、シリアスなスポーツウォッチ

腕時計を生んだのが軍隊と戦争の歴史だというなら、腕時計を進化させてきたのはスポーツの歴史だ。堅牢さはマリンスポーツが、精密さに関してはモータースポーツがその成長を後押ししてきた。1/100秒単位、1/1000秒単位までの計測が必要とされる、人間の感覚では捉えられない精緻な世界。そこから生まれたメカニカルなフェイスや、振動や磁気からムーブメントを守るためのタフなでソリッドなケースは、いつの時代も大人たちの心をつかんで離さないストイックさにあふれている。今回は、そんな普遍的な魅力を持つ腕時計の1ジャンル、スポーツウォッチの特徴と人気ブランドに触れてみよう。

なぜ大人はスポーツウォッチを求めるのか?

ヴィンテージやミリタリーとは、また違ったベクトルの魅力を持つスポーツウォッチ。その機能性もさることながら、その裏に秘められた数々の伝説やレーサーたちの記憶も、男にとっては魅力的に映る。名作に触れる前に、なぜスポーツウォッチが大人に愛されるのか、その理由をおさらいしておこう。

魅力1男心をくすぐる合理的でスポーティなデザイン

腕時計1本1本にこめられたうんちくや歴史もユニークだが、多くを語らずとも万人を引きつけるスタイリッシュなデザインもまた長所のひとつ。特にF1マシンの計器板をそのまま40mm前後に凝縮したような文字盤は、各ブランドの腕の見せどころだ。ダイヤルが主張しつつもそれぞれを邪魔しない、もっとも機能的な配置を試行錯誤して生み出した傑作たちは、もはやひとつの計測機器。各ダイヤルの中で1秒未満の時を刻むクロノ針のハーモニーは、眺めているだけでも心躍る。

魅力2お気に入りのF1チームと時を共有する楽しさ

モータースポーツと腕時計の間には密接な関係がある。ブランドは人気チームと契約を結び、そこで所属選手から吸い上げた要望を腕時計へとフィードバックすることでより計器としての精度を高めている。そうして生まれた腕時計の中には、後述の『オリス』ウィリアムズシリーズ、『エディフィス』のスクーデリア・トロ・ロッソモデルのようにチーム名やロゴを冠したものも少なくない。自分が推しているチームの選手と同じ腕時計を身に着けることができる高揚感は、何ものにも換えがたい。

魅力3比較的お手ごろな価格帯にも名作が多い

ミリタリーウォッチ同様、現場の需要から生まれたジャンルにはコストパフォーマンスの高い逸品も多い。1秒未満の精密さを求めた結果クォーツやデジタルのモデルが増えたのも理由のひとつだが、その中にも名のあるレースや歴史的瞬間に立ち会った名作たちが多数存在している。ここでは紹介していないが、例えば『アルピナ』のセブリング12時間耐久レースモデルで10万円以下、『ティソ』が契約しているチーム・アルピーヌが37年ぶりに表彰台に登った際腕に巻いていたPRS516も約8万円で購入可能だ。もちろん、後述の『タグ・ホイヤー』のような30万〜50万円クラスの例もあるが、プライス以上の機能と歴史が詰まっているのがこのジャンルの強みだ。

老舗から国産まで。大人のためのスポーツウォッチ3ブランド

スポーツウォッチの良さと歴史がわかったら、次は品定めに移ろう。今回は創業150年以上の老舗、実用ブランドの雄、日本が誇る高機能ウォッチの3つに絞ってそれぞれの傑作モデルを紹介する。時代やトレンドを超えた、男の世界を腕元で堪能しよう。

ブランド1精密計測、高精度を追及してきた『タグ・ホイヤー』

そのタフネスと精度から名だたるトップレーサーに愛されてきた1860年創業の『タグ・ホイヤー』。1887年には現在のクロノグラフの元となる機構である振動ピニオンで特許を取得し、1916年には1/100秒単位での計測を可能にしたマイクログラフを開発するなど、これまでに精密計測と高精度時計の分野において多大なる貢献を果たしてきた。そんな高精度時計メーカーとしてF1やオリンピックの公式時計も担当してきた由緒あるブランドには、数多くの人気モデルが属している。

『タグ・ホイヤー』カレラ キャリバー ホイヤー01 クロノグラフ

初代カレラは1950年代の伝説のカーレース「ラ・カレラ・パンアメリカーナ・メキシコ」に着想を得て1964年に開発。腕時計のデザインは保守的で出遅れていると考えていた当時の社長、ジャック・ホイヤー氏の発案により、それまでにない洗練されたモダンウォッチとして業界に衝撃を与えた腕時計史に残る1本だ。それから50年以上が経過し、現在『タグ・ホイヤー』の誇るスポーツコレクションの基幹モデルとして君臨しているのがカレラ キャリバー ホイヤー01。よりスポーティに進化を遂げた同モデルにも、初代カレラのデザイン哲学が息づいている。

■参考: タグ・ホイヤーの名作。カレラの魅力とラインアップ

『タグ・ホイヤー』リンク クロノグラフ

モデル名の元ともなっているリンクブレスレットが、手首に快適さとエレガンスを落とし込んでくれるリンクシリーズ。同シリーズは、ブランドが創業以来掲げ続けている、ユニークであり続けるという姿勢が生んだ傑作だ。『ブライトリング』のデザイナーも務めたエディ・ショッフェル氏による流麗なケースデザインの中では、メタリックなアップライトインデックスとモノトーンの配色が緊張感のある表情を作り上げている。ブランドの全モデル中もっとも着け心地がいいと評されるリンク。ぜひ1度店頭で腕に巻いて、その世界観に触れて欲しい。

■合わせて読みたい:
ブライトリング10傑。プロフェッショナルのための計器を腕元に

『タグ・ホイヤー』モナコ クロノグラフ キャリバー11

モナコが誕生したのは、まだブランド名が『ホイヤー』だった1969年のこと。歴史上初めての機密性正方形ケースを搭載した腕時計として製作され、カーレースの「モナコ・グランプリ」にちなんで名付けられた。スティーブ・マックイーン氏が映画「栄光のル・マン」においてホイヤー社のスポンサードロゴ入りレーシングスーツと着用して話題になり、映画監督であるスタンリー・キューブリック氏も「時計じかけのオレンジ」の撮影時期に腕に着けている写真が撮影されているなど、なにかと映画とも関わりの深い逸品だ。また、モナコは世界で初めて自動巻きクロノグラフの商品化に成功した腕時計としても、時計史に名を刻んでいる。

ブランド2凝ったディテールと実用性のバランスが取れた『オリス』

1904年の創業以来、高精度な機械式時計を品質以上のコストパフォーマンスで提供し、腕時計フリークに限らず広い層に支持されてきた『オリス』。戦時中パイロットたちに愛された名作ビッグクラウンや、端正なデザインのアーティックスなどクラシカルでドレッシーな名作たちも有名だが、1990年代に入るとダイビングやレーシングシーンに本格的に照準を合わせた製品も積極的に展開し始める。2001年から続くヒット作TT1や、アーティックスGTなどはその代表的なシリーズ。ケースバックからのぞくブランドの代名詞的存在、レッドローターと、計器然としたスポーティなフェイスに心躍らない男はいない。

『オリス』ウィリアムズ F1 クロノグラフ

2003年、『オリス』はF1チームのウィリアムズと契約を締結する。同時期にチーム名を関した初の時計をリリース、以降このパートナーシップは多くのタイムピースを世に送り出すことになる。今回は、2015年に発表されたウィリアムズレースカーの技術を落とし込んだ同シリーズから、男らしいクロノグラフをピックアップ。ブラックカーボンファイバーのダイヤルとブルー針が、スポーティな空気と視認性を高めてくれている。しなやかなラバーストラップは腕馴染みも良く、着け心地も申し分ない。

『オリス』アーティックスGT クロノグラフ

モータースポーツにインスパイアされた、2012年誕生の比較的若いシリーズからクロノグラフを。いかにもなスポーツウォッチではなく、7連ブレスやステンレスの仕上げでエレガントさを表現したスーツにもマッチする汎用性の高い1本だ。特徴的なのが9時位置のスモールセコンド。秒を刻むごとに赤いバーが進み、60秒でまた0に戻るレトログラード式になっており、レースカーのレブカウンターにインスピレーションを得たディテールだ。眺めていると、ついつい時が経つのを忘れてしまいそうになる。ムーブメントのベースにはETAの名作「バルジュー7750」を使用。

『オリス』クロノリス クロノグラフ

『オリス』モータースポーツコレクション第1弾として、1970年代に製作されたのが今作クロノリスだ。企業の買収とクォーツショックが重なったブランド解体の危機の真っただ中で生まれながら、『オリス』初となる自社開発クロノグラフキャリバーを搭載したアイコニックなモデルとして君臨する同作は、腕時計フリークからも熱い支持を獲得している。そんなマニアの声を受けてクロノリスが正式に復刻を果たしたのは、実は2017年と最近のこと。流線形のケース、オレンジのアワーマーカー、マルチトーンなどレトロさを感じさせるデザインが、今また新鮮に感じられる。

ブランド3ジャパンブランドの雄が放つ先端技術の結晶『エディフィス』

日本が世界に誇る電子機器メーカー『カシオ』のメタルスポーティクロノグラフブランドとして誕生した『エディフィス』。2016年より契約を結んでいるF1チーム、スクーデリア・トロ・ロッソからのフィードバックも受けつつ、これまで最先端のエレクトロニクス技術を駆使した革新的なウォッチを輩出してきた。腕時計本体のスペックもさることながら、スマートフォンとリンクすることでより正確な時刻を取得することに成功したタイムトラベラーシリーズなど、型破りで挑戦的なモデルが多いのも特徴だ。そしてなにより、ハイスペックなウォッチがリーズナブルに展開されている貴重なブランドでもある。

『エディフィス』スクーデリア・トロ・ロッソ・リミテッドエディション

『エディフィス』が契約しているF1チーム、スクーデリア・トロ・ロッソの名を冠した特別仕様。裏蓋やパッケージに刻印されたパートナーシップロゴが、リミテッドエディションの名にふさわしい特別感を与えてくれる。なお、鮮やかなインダイアルやベゼル内側のグラデーションカラーは、過酷なレースを終えて高熱で焼けたマフラーの色を表現したもの。カーボンを使用した文字盤と合わせて、チームのマシンカラーを巧みに表現しているファン垂涎の1本だ。

『エディフィス』タイムトラベラー EQB-501L-1AJF

スマートフォンと連携することで、より正確な時刻修正を可能にしたタイムトラベラーシリーズ。腕時計本体のスペックを突き詰めた結果、さらなる精度の向上のためにモバイルからタイムサーバーに接続させるという発想がユニークかつ合理的だ。『カシオ』お馴染みのタフソーラーを搭載しているので、海外での不意の電池切れにおびえる心配もない。ダイナミックなアナログクロノグラフと先進技術が融合したハイブリッドなシリーズは、スポーツシーンはもちろん名前のとおり世界を股にかけるジェットセッターにもおすすめしたい。

『エディフィス』レースラップクロノグラフ EQB-800DB-1AJF

タイムトラベラーに続き、スマートフォン連携モデル。こちらは、レーシングチームからのフィードバックを反映した、よりレースに特化したシリーズになっている。その象徴ともいえるのが、Bluetoothによる接続により目標ラップタイムに対する結果を直感的に把握できるターゲットタイムインジケーター。スマートフォン側で設定した目標値を腕時計に転送することで、走行地点がわかりづらい広大なサーキット場でも簡単にラップタイムを確認することができる革新的な機能だ。もちろん、タウンユースでは必要ない機能だが、そんなうんちくこそがカーレース好きの間で話題の糸口になってくれる。

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