メジャーなようで圧倒的少数派の角型時計に注目

メジャーなようで圧倒的少数派の角型時計に注目

時計の形状は、丸型が圧倒的多数派。それ以外の形状を選ぶのは、冒険です。それだけに、角型を選択することは、人とかぶりを気にせずにすむ、個性派の選択なのです。

黒野 一刻

2015.06.03

腕時計

丸型が多数派な理由

丸型が多数派な理由

時計のパーツの根幹は歯車です。必然的に丸い地板の上に、配置するのが合理的で、ムーブメントも丸型が第一になります。四角いケースに入れるには、丸いムーブメントは角の方にデッドスペースができるのがもったいなかったり、角専用ムーブメントを別に設計する必要が出てきますから、結局、ケースも丸型が多くなります。

角型はチャレンジの証

角型はチャレンジの証

つまり、角型時計を作ることは、デッドスペースを作ることを恐れないとか、新しく角型ムーブメントを作るというチャレンジ精神の現れです。1930年代に幾何学的デザインを重んじるアールデコ様式が世間を席巻した時、レクタンギュラー型やスクエア型ケースへの渇望が、時計メーカーのチャレンジ精神を刺激したのです。

そして、現代でも個性派の象徴に

モナコは『タグ・ホイヤー』の前衛性を象徴し、タンクやサントスは『カルティエ』のクラシカルなデザインをまとい、レベルソは『ジャガー・ルクルト』の伝統を代表しています。BR-01はその特異なデザインで、ブランドの隆盛を決定づけました。現代においても角型は、各ブランドの個性的な部分を象徴しているのです。

タグ・ホイヤーの記念碑的角型モデル『タグ・ホイヤー』モナコ クロノグラフ キャリバー11

世界初の自動巻きクロノグラフムーブメントとなったキャリバー11を搭載し、『タグ・ホイヤー』の前衛的なデザインの根源となる角形モデルが、このモナコです。左リューズはキャリバー11の象徴で、縦横同サイズのスクエアな形状を一段と個性的に際立たせます。『タグ・ホイヤー』ファンには、モナコ愛好者が大勢います。

スマートかつ端正なアールデコ様式『カルティエ』タンク ソロ LM

ケース外縁のラインがスラリとラグまで伸び、まるで戦車を俯瞰した形状……それが『カルティエ』を代表する角型モデル、タンクの名前の由来です。端正にデザインされたローマンインデックスと、その内側に描かれた角型のレイルウェイトラックは、アールデコの様式美によるもので、今日でも飽きのこないスタイルです。

現代航空系のルーツは角型時計?『カルティエ』サントス 100

ライト兄弟に遅れること3年、ブラジル初の動力飛行を行った飛行家、アルベルト・サントス・デュモン。サントスは、サントス・デュモンに依頼され、カルティエが開発した航空時計の遺伝子を現代に引き継いでいます。タンクよりひと周りワイドなケースとビス留めにしたベゼルにより、ダイナミックさが強調されています。

角型ゆえに生まれた反転ケースというアイディア『ジャガー・ルクルト』レベルソ・クラシック

『ジャガー・ルクルト』レベルソ・クラシック

GMTGMT

ムーブメントを収納する部分を横にスライドさせてリリースし、ひっくり返す。ポロ競技中に風防を壊さないようにと考案された反転ケースの仕組みは、角型だからこそ生まれました。この時計は、レベルソのオリジナルのスタイルを最もよく継承したスタイルで、アールデコ調の文字盤やスマートなスタイリングがクラシカルです。

計器盤からメーターを引き抜いてきたような時計『ベル&ロス』BR01-92 オートマティック

2005年に登場し『ベル&ロス』の人気を不動のものにしたスクエアモデルです。その姿はまさに、航空機のコックピットの計器盤から引き抜いてきたメーター。大型ケースにも関わらず、装着感は良好そのもので、視認性も抜群。外装のスタイリングと合わせて内容も伴っており、個性を主張するのにこれ以上はない時計です。

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