バウハウスデザインの極致をその腕に。ドイツの名門ユンハンス

バウハウスデザインの極致をその腕に。ドイツの名門ユンハンス

お手頃価格なのに誰が見てもおしゃれで時計マニアも一目置くブランド。『ユンハンス』の圧倒的なデザイン性、ドイツ製ならではの信頼性など、人気の秘密を解剖します。

夏目 文寛

2018.03.23

ユンハンス(JUNGHANS)
腕時計

デザインにこだわる大人に選ばれるドイツ生まれの『ユンハンス』

ファッション業界人やデザイナーなど感度の高い人たちに、絶大な支持を受けているブランドがあるんです。その名は『ユンハンス』。1861年、ドイツはシュランベルクで創業した歴史あるこのブランドは、とくにヨーロッパでは高い知名度を誇る超メジャーブランドです。バウハウスの影響を受けた機能美あふれる芸術品ともいえるデザイン、そして品質も確かなドイツ製なのに手の届く価格。『ユンハンス』は時計界でも1位2位を争うコスパのいいブランドなのです。

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オーナーとなる前に、知っておきたい『ユンハンス』のこと

『ユンハンス』は語るべきことが多いブランド。デザインにひと目ぼれでもいいけれど、それだけではもったいありません。知れば知るほど『ユンハンス』が好きになる、そんなうんちくにしばしお付き合いを。

その1ドイツで150年以上続くウォッチ&クロックカンパニー

『ユンハンス』の歴史は1861年にさかのぼります。部品製作からスタートしたブランドは早くも1866年に自社製の時計製造を開始、1903年には従業員は3000人、年間300万個を製造する世界最大のウォッチメーカーになるまでに成長しました。機械式腕時計では自動巻きキャリバーJ83など数々の銘機を自社開発し名をはせますが、1970年代にはドイツ初のクォーツ腕時計を完成させ、また1992年には世界初の電波腕時計を発表。伝統的な技術だけではなく先進テクノロジーの分野でも世界有数の実力を示しています。

その2バウハウスの血脈にある、シンプルデザインの極致

代表作「マックス・ビル」に代表されるように、デザインはバウハウスの流れをくみ、余計な装飾を排除したシンプルさが身上。ベゼルを極限までスリム化し文字盤を際立たせているうえ、カーブした文字盤の形状に合わせ、針の先端を折り曲げてまで長さを確保し視認性を高めるなど、腕時計にとって1番大事な視認性にこだわっているのです。バウハウス直伝のこの徹底的な機能主義こそが『ユンハンス』の魅力であり、すべてのシンプルウォッチのお手本となっているのです。

その3ドイツブランドらしい、精緻で精密な作り

超絶技巧で複雑機構を作り上げマニアをとりこにする『ランゲ&ゾーネ』、テクノロジーを駆使しもはや航空機器ともいえる『ジン』など、ドイツブランドの腕時計は堅実な作り込みで圧倒的な支持を受けています。『ユンハンス』も例外ではありません。たとえばカーブを描く繊細な針の美しい仕上げや均一に盛られた蓄光インデックスなど、10万円台で手に入る腕時計とは思えない品質なのです。また、信頼性のある汎用ムーブをドイツの職人がていねいにフィニッシングした内部機械の高いクオリティも見逃せない一面です。

『ユンハンス』を代表する、3つの機械式腕時計

ここでは、『ユンハンス』の伝統が息づいた代表的な機械式腕時計3シリーズを紹介しましょう。

▼シリーズ1:「マックス・ビル」バウハウスデザインをその腕に

デザイン界に大きな影響を与えたドイツの美術学校バウハウス。その最後の巨匠といわれるマックス・ビル氏がデザインしたコレクション。元となったのは、彼自身が手がけたキッチンタイマーで、日常的なプロダクトに機能主義を持ち込んだ傑作として知られています。現在MoMAに永久収蔵されている壁時計を作った後、1962年に登場した腕時計は視認性の高さと普遍的なデザイン性で瞬く間に『ユンハンス』の代表モデルに躍り出ました。現行モデルもその姿をほとんど変えずに永遠のデザインを継承しています。

1本目マックス・ビル オートマティック

自動巻き機構を採用した「マックス・ビル オートマティック」。3時位置にはデイト表示を搭載し、普段使いにも便利です。視認性抜群のシンプルフェイス、さらに繊細なラグに瀟洒なミラネーゼブレスをセットし、都会的な面持ちも魅力的。ケース系も小ぶりな38mmと腕馴染みも抜群です。またデイトなし、バーインデックスのモデルもラインアップしており、お好みに応じてセレクトできます。

2本目マックス・ビル クロノスコープ

クロノグラフ付きのクロノスコープ。ムーブメントは高級腕時計によく搭載されている安定のETA7750ベースです。カウンターの数が増え、文字盤のごちゃつきが気になるクロノグラフですが、「マックス・ビル」に関しては一切心配いりません。大きなダイヤルに繊細なインデックスが施され、あくまでクリーンな印象をキープしています。裏ブタも適度に盛り上がっておりかさがあるので、プッシュボタンが押しやすいのもポイントです。

3本目マックス・ビル ハンドワインド

毎日ゼンマイを巻き上げる手間は必要なものの、手巻きモデルの最大のメリットは小さくて薄いこと。ケース系は34mm、ケース厚は8mmと、最近の腕時計の中ではかなり小ぶり。軽くて着けていることを意識しないし、シャツとの馴染みも抜群のサイズ感です。自動巻き機構が省かれているため、メンテナンス的にもメリットがあります。レザーベルトモデルなら、スーツにもぴったりハマりますね。

▼シリーズ2:「マイスター」美しいフォルムと技術が高次元で結実

そのルーツは1936年にまでさかのぼる歴史的なモデル。「時計の建築家」と呼ばれたアントン・ツィーグラー氏がデザインし、後に名作キャリバーJ82やJ88を搭載するなど、『ユンハンス』の象徴として長らく君臨。そのバリエーションはクラシカルでエレガントなドレスウォッチからパイロットウォッチまで多岐にわたります。いずれのモデルも要素を整理した優れた視認性やハイクオリティな作り込みをはじめとする、ジャーマンウォッチならではのモノ作り精神が宿っています。

1本目マイスター クラシック

美しい鏡面仕上げが施された9連のエレガントなブレスレットが目を引く自動巻きモデル。ドーム型の風防はプラスチックのプレキシガラスですが、耐久性を高めるコーティングが施してあります。「マックス・ビル」と同じく、盛り上がったボンベダイヤルに沿うようにカーブした針が特徴で、視認性の高さもしっかりと確保。シースルーバックなので、裏ブタからコート・ド・ジュネーブ加工とペルラージュ加工が施されたムーブメントが覗けるのもポイントです。

2本目マイスター クロノスコープ

「マイスター」のクロノグラフ。「マックス・ビル クロノスコープ」同様、クロノグラフの代表ムーブメントであるETA7750をベースに『ユンハンス』が独自にフィニッシュ加工を施しています。日付と曜日が表示されるデイデイトを搭載しているので、ビジネスの現場では大いに役立つでしょう。また、ケース径も40.7mmと程よく存在感を放つサイズなので腕元のアクセントとしても活用できます。

3本目マイスター ドライバー クロノスコープ

クラシックカーのダッシュボードにインスピレーションを得たコレクション。カラーリングは1930年代のマイバッハと1950年代のメルセデスをイメージし、ツートンカラーでまとめたノスタルジックな印象です。また、スケルトンバックから見られるムーブメントにはロジウムメッキが施されているほか、ローターにはコート・ド・ジュネーブ加工があしらわれるなど、高級感あふれるムードが大人の余裕を感じさせてくれます。

4本目マイスター テレメーター

戦場で、大砲の閃光と音から敵の距離を測るために使われていたテレメーターを採用したレトロな1本。同時に速度を計測できるタキメーターも装備されています。2つの特殊計測機能が搭載されたモデルにふさわしい、ETA2892ベースの高精度なデュポア・デプラ製ムーブを搭載しているのも魅力です。文字盤はアンティークの薫りを漂わせながらも、ブレスレットは装着感に優れた現代的な仕様で、まさに新旧のいいとこ取りをしたモデルです。

▼シリーズ3:「フォーム」普遍的で工業的、ドイツデザインの醍醐味

2017年に登場した「フォーム」は、バウハウスのシンプルな機能主義を継承しながら、さらなるモダンさを追求した新コレクション。「マックス・ビル」のドーム型風防に対し、「フォーム」はフラットで、さらにサファイアクリスタルを採用しているのもポイントです。すり鉢状のダイヤル、凸型のケース、スクエア型のエンボスインデックスなど、立体的な意匠を多く施しながらも、『ユンハンス』ならではのミニマルさは健在。シーンを選ばず活躍できるシンプルウォッチです。「フォームA」「フォームC」とありますが、今回は自動巻きモデルである「フォームA」のみをご紹介。

フォームA

バウハウス譲りのシンプルさをキープしながら、フラット風防やエンボスインデックスなど、モダンなディテールを追加した「フォーム A」。そのフラットな風防に対し、ダイヤルは凹状にカーブしているのも大きな特徴。この絶妙なコントラストがクリーンさを保ちながらも立体感的なニュアンスを生むことに一役買っています。また、裏ブタに向かって大きく絞り込まれたケースはシャープな見た目を演出するだけではなく、肌に触れる部分が少なくなるぶん、装着感にも優れています。

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