2万円台から買えてしまう、機械式腕時計入門機10選

2万円台から買えてしまう、機械式腕時計入門機10選

高価な嗜好品のイメージがある機械式腕時計。ところが昨今では、その印象の数分の1程度の価格で手に入る秀逸モデルが増えてきている。鉄板の10本をピックアップ。

編集ムタガミ

2018.02.03

腕時計
機械式
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手軽に機械式の楽しみを知ることができる、いい時代になった

精密さでは電波時計やクォーツ式に勝るものはないにも関わらず、男はなぜか機械式の腕時計に惹かれる。10万、20万という大枚をはたいて手に入れた腕時計。最初はシースルーバックを選び、裏スケルトンからのぞくムーブメントの動作を時間も忘れて眺め続ける……という体験は、良い大人になるために必要な儀式のようにも感じられる。2日身に着けないと止まってしまい、ぜんまいを巻くところから始めなくてはならないなんてデジタル全盛のこのご時勢にナンセンスだとは思うが、それがたまらなくいとおしく感じるのもまた男心だ。腕に巻けば、テンプがゆれる振動すら感じられる気がする。

機械式腕時計の魅力を挙げればキリがないが、ただ時刻を見るだけではない、“男のロマン”が現代ではわずか2〜3万円もあれば手に入る時代になった。精度に信頼のある国産ムーブメントが多く出回るようになったのも理由だろうが、とにかく機械式に触れてみたいという男性の需要が増えたのもまた事実。個人的にはクォーツショックならぬオートマショックが静かに始まっているのではないかと戦々恐々としているが、出そろっているのはそんなことも気にならなくなる秀逸なデザインの傑作ばかり。今回はそんな高コスパな機械式、とくにデイリーユースに適した自動巻き腕時計をラインアップしてみた。

はじめての機械式なら、“裏スケ”がおすすめ

これから機械式に触れるなら、ケースバックにサファイアクリスタルをはめ込んである通称“裏スケ”を勧めたい。理由は簡単で、精緻なムーブメントとその動きを眺める楽しみが生まれるからだ。嗜好品としての意味合いが強い機械式腕時計においては、非常に合理的な意匠といえる。高級腕時計では、オイルが乾きやすい、パッキンが増える分耐久性に劣るなどの理由で採用しないブランドもあるが、まずは愛着を持つことが肝要。こと自動巻きのローター部分には、各社こだわりのデザインがあしらわれていることが多く、所有欲を満たしてくれるポイントのひとつとなっている。同様に、盤面から駆動を眺められるオープンハートも推しておきたい。

デザインにも優れた、高コスパな機械式腕時計カタログ

お手ごろ価格で手に入れられる分、守りに入らずデザインにもこだわってほしい。色なのか、レトロさなのか、オープンハートのような手の込んだディテールなのか……。自分のこだわりを反映した1本が、きっと見つかるはずだ。

1本目『ベーリング』16243-000

2017年に開催された「バーゼルワールド」においても好評を得ていた、北欧ウォッチの雄が満を持してリリースする渾身の1本。9時位置にベーリング海峡の地図を施した24時間計を搭載し、デザインアクセントとしている。これまでのシンプルモダンを踏襲した『ベーリング』のコレクションとは一線を画す43mm径の存在感は、これまでにない一面を垣間見せた。ミヨタ社が『ベーリング』だけに供給しているエクスクルーシブなムーブメントを採用しているなど、機械式を持つ喜びを存分に感じさせてくれる傑作だ。

■参考: 機能美の追求がもたらした美しさ。ベーリングの腕時計が今、おしゃれ

2本目『スカーゲン』FALSTER SKW6398

デイト表示を排し、バーインデックスと3針のみでミニマルにまとめ上げたファルスターは、すっかり日本においても定番ブランドとして定着した『スカーゲン』のもの。3時位置に控えめに配置されたロゴとAUTOMATICの表示が、ブランドではなくデザイン性を優先したモノづくりを行う『スカーゲン』らしさを感じさせてくれる。裏スケから見えるムーブメントも、ケース同様ブラックを基調としたソリッドな仕上がり。ケース径ギリギリまで拡張された裏ぶたのサファイアクリスタルが、洗練された雰囲気を醸成する。

■参考: 北欧デザインが集約。スカーゲンの腕時計が気になる

3本目『ノット』AT-38 オートマチック

日本でのモノづくりにこだわる『ノット』が、ブランド創業当時から温めていた構想を形にしたのがこのAT-38。24石の高品質な国産ムーブメントを搭載しつつ、アップライドインデックスや面により仕上げを変えたケースなど、価格帯に見合わない完成度の高さを誇っている。ケース径は、日本人の腕元に収まりやすい38mm径。厚さも10mmに抑えているので、毎日身に着ける相棒としてはまさに適役の1本といえる。『ノット』のほかのモデルよろしく、ストラップは別売りとなっている。

■参考: 腕時計の新星。ノット(knot)を知らなきゃ損をする

4本目『ドゥッファ』アールト レビュレーター DF901705

2016年の日本上陸からめきめきと頭角を現してきているのが、ドイツブランドの『ドゥッファ』だ。ブランド自体の歴史は長く、1920年代にはクロックの分野でその名をとどろかせていた。ドイツブランドの腕時計はバウハウスデザインの流れを汲むシンプルかつ洗練されたデザインが特徴だが、『ドゥッファ』もまたその血脈の中にいる。今作アールト レビュレーターは、モダニズムに影響を与えた北欧の近代建築家アルヴァ・アールト氏に敬意を表してデザインされたもの。時分秒がそれぞれ別ダイヤル上で時を刻む様子は、価格以上の独自性を有している。

5本目『フルボデザイン』F5025

アシンメトリーなオープンハートが腕元にセンスを宿す、『フルボデザイン』のジャパンメイドモデル。裏スケも採用しているので、表から、裏から、ジャパンメイドの精巧な機構を心行くまで眺めることができる。盤面とストラップの配色もユニークだが、スーツの腕元にも似合う42mmの程よいサイズ感はデイリーユースの1本としても申し分ない。非の打ち所のない作りには、ブランド名どおり“Furbo=抜け目ない”のほめ言葉がふさわしいだろう。

6本目『オロビアンコ』ORAKLASSICA

クラシカルなフォルムに、イタリアデザインらしい遊び心を載せた『オロビアンコ』の腕時計は、老若男女問わず幅広い層に人気のあるアイテム。ソリッドな円柱型ケースに、大ぶりなローマンインデックスと三日月形オープンハートを落とし込む取り合わせの妙が面白い。オニオン型のリューズも、クラシックな雰囲気をより高めてくれる。ホワイトの文字盤ももちろん間違いないのだが、この独特なシルバーグレーの文字盤もまたモダンな印象を漂わせておりおすすめだ。

■参考: イタリア生まれの伊達男。オロビアンコのおしゃれな腕時計10選

7本目『クロス』CRS-CR801702

『モンブラン』同様、『クロス』も文房具メーカーの肩書きを持ちながら腕時計産業に従事するブランドのひとつ。アメリカの歴代大統領をとりこにしてきた筆記具ともリンクする意匠には、1846年から続くブランドの息吹を感じることができる。ダイヤルを2つ重ねた印象的な配置の上で、品のあるローズゴールドの時分針がなめらかに時を示すさまには、「スタイリッシュ・ドレスウォッチ」を標榜する『クロス』の矜持が見て取れる。5気圧防水のため、普段使いにも十分。

8本目『ハンティングワールド』ADDITIONAL TIME HW993

バッグにウェアにと、ブランド誕生から40年もの間、創設者であるロバート・M・リー氏の冒険心をファッションアイテムに落とし込んできた『ハンティングワールド』。それは腕時計においても例外ではなく、ユニフォームやフラッグをモチーフとしたインパクト抜群の配色や6時位置のリューズなど、気分を変えるにはもってこいの鮮烈なデザインが目を引く。裏ぶたにはスケルトンではなくおなじみの象の刻印がなされているが、その分2つのインダイヤルに挟まれるようにオープンハートが鎮座。身に着けていれば、話題も弾むというものだ。

9本目『オリエント』RN-AG0011S

国産機械式腕時計といえば、まず誰もが思い出すのが『オリエント』だろう。自社でムーブメントの開発まで行うマニュファクチュールとしては、コストパフォーマンスで海外ブランドをも圧倒している。剣先を思わせるシャープなドーフィン針とくさび型インデックスは、ビジネスマンの武器としての腕時計の立ち居地を思い起こさせてくれる。9時位置に大胆に開けられたオープンハートからは、ぜんまいがゆるやかにほどけていく様子を眺めることができる。

■参考: オリエントの腕時計が愛される理由とおすすめのモデル

10本目『ウィリアムエル』AUTO DIVE

1970年代のオイスター(牡蠣)ケースに着想を得た、ダイバーズタイプの自動巻き腕時計。時を経ても変わらない、普遍的な腕時計の美しさにフォーカスを当てる『ウィリアムエル』らしく、ヴィンテージ愛好家にはたまらないノスタルジックな表情に仕上がっている。とはいえ、機能面はいたって現代的。10気圧防水のケースにねじ込み式リューズ、水濡れに強いラバーバンドを装着しているので、自動巻きながら安定した防水性を備えている。

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