日本が生んだ、実用腕時計の極地。アテッサを知る

日本が生んだ、実用腕時計の極地。アテッサを知る

腕時計の素材として広く認知されているチタン。それを初めて腕時計に搭載したのはシチズンだった。同メーカーが放つチタン鍛造技術の粋、『アテッサ』を読み解く。

編集ムタガミ

2018.01.26

アテッサ(ATESSA)
腕時計
機械式

時代が求める期待に、応え続けてきた『アテッサ』

多忙な毎日を送るビジネスマンにとって、なじみ深い腕時計である『アテッサ』。ビジネスウォッチにおいて欠かせない電波ソーラーをほぼすべてのモデルで搭載していることに加え、独自の表面加工を施したチタンを採用することで仕事中の着用も気にならない軽さを実現した、まさに実用腕時計の鑑ともいえるブランドとして認知されている。ことテクノロジーに関して国産腕時計の中でも頭ひとつ抜きん出た存在感を放っているシチズンが手がけているだけあり、手の届きやすい価格帯にもかかわらず機能、作りのていねいさは脱帽ものだ。 2017年に30周年を迎えた同ブランドの歴史に触れつつ、今購入するべき最先端モデルを追ってみよう。

シチズンが有する、チタン加工技術の結晶

世界で初めてチタン製の腕時計を作ったのはシチズンだった

軽量かつ腐食に強い特性から、それまで医療現場で使われていたチタニウム。毎日着用するアイテムである腕時計にとってこれ以上ない理想的な素材なのだが、いかんせんステンレスに比べて非常に柔らかく加工の難しい金属でもあった。だが、同時に他社が手を出していない未開拓の市場であり、当時表面処理技術の開発に従事していたシチズン社員、直井孝一氏はそこに目をつけた。

まずは1970年、表面硬化処理を施した純度99.6%チタニウムをケースに採用した世界初の腕時計として、エックスエイトクロノメーターを発売。これは発売時期も短く、販売数も2000個足らずと極めて希少なモデルになっている。そしてそのDNAを受け継ぎ、1987年にチタンの素材感を生かしたクォーツ式腕時計『アテッサ』が誕生する。以降、独自の表面硬化技術やブラックチタンなどの新技術を投入しながら、チタニウムウォッチの最先端ブランドとして成長していくことになる。

独自の表面加工技術デュラテクトが生み出すスーパーチタニウム(TM)

シチズンが有する特殊な装置の中でプラズマなどのイオンを吸着させることにより、ステンレスやチタンの表面を科学的に硬化させる技術デュラテクト。通常、チタンにおいては硬度を確保するために混ぜ物をして合金として使用するのがセオリーなのだが、それでは完全な耐メタルアレルギーを謳うことはできない。ステンレスの5倍の硬度と、耐傷・耐腐食性を実現するこの技術を投入することにより、チタン本来の強みを生かしつつ、腕時計への使用に耐えうる素材へと引き上げているのだ。そのデュラテクトを施したチタンこそが、同社が誇るスーパーチタニウム(TM)。時を経てもなお輝きを失わない腕時計を作るならば、これ以上ない素材だろう。

チタンだけじゃない、『アテッサ』がモノを知る大人に愛される理由

理由1わずかな光で発電するエコ・ドライブ

定期的なオーバーホールも電池交換も必要としない、ソーラーウォッチ。シチズンでは独自の技術を用いた「エコ・ドライブ」としてソーラー機能を昇華し、より効率的な発電を可能としている。必要なのは、室内のわずかな光。外出の少ないオフィスワーカーでも、動力切れの心配がないというわけだ。

理由2世界のどこにいても正確な時刻を刻むサテライトウェーブGPS

『アテッサ』ではそのラインナップのほとんどに、電波受信機能を搭載している。誤差は10万年に1秒といわれる原子時計をベースに送信される標準電波を受信することで時刻を自動修正するテクノロジーだ。加えて、上位モデルではさらに精度を高めるべく、世界最速の時刻修正を可能にしたサテライトウェーブGPS機能を積んでいる。これにより、山岳地帯や電波の届かない僻地でも正しい時刻を表示することができるようになるのだ。世界で活躍するジェットセッターには、ありがたい機能ではないだろうか。

理由3腕時計の大敵、磁気と衝撃による狂いを防ぐパーフェックス

電子機器に囲まれて生活する現代において、腕時計に磁力が与える影響は甚大。各メーカーはムーブメントやケースの構造、素材を見直すことで耐磁性能を確保しているが、電波をコンスタントに受信しなくてはいけない電波時計においてはそう簡単な話ではない。だが、シチズンの独自技術であるパーフェックスを搭載した『アテッサ』なら、その矛盾を見事解決してくれる。さらに、外部からの衝撃を即座に読み取って時刻に反映する衝撃検知機能で針ズレも防止。精度に対する、シチズンの飽くなき探究心が垣間見える。

機能的、かつエレガント。今手にしたい『アテッサ』7選

『アテッサ』の魅力に触れたところで、今自分が手にするべき1本を選んでみよう。シンプルな3針かスポーティーなクロノグラフか、はたまたブランドが持てる技術をすべて注ぎ込んだハイエンドモデルがほしいのか。己がライフスタイルを振り返り、日本が世界に誇るテクノロジーの結晶に触れてほしい。

1本目CC9075-52F

ブランド30周年を記念して誕生した、『アテッサ』の中でもハイエンドシリーズに位置づけられているブラックチタンシリーズの1本。チタンの表面をカーボンの硬質膜で覆い美しいブラックを生み出す技術であるデュラテクトDLCを施した腕時計は、かつて宇宙開発事業で重用されていたチタンと宇宙とのつながりを思い起こさせてくれる。機能面も充実しており、サテライトウェーブGPS、エコ・ドライブに加えて、ダイレクトフライト、ワールドタイムなど『アテッサ』の持つ機能を完全網羅。スーツスタイルにふさわしいエッジの効いたシャープなディテールとともに、ビジネスシーンを腕元からサポートしてくれる名機だ。

2本目CC9016-01E

ラグ部分のピンクゴールドを拾ったインダイヤルが、クロコダイルレザーのストラップと相まってクラス感を演出してくれるクロノグラフモデル。リューズを引き、都市名を選択するだけで瞬時に世界中の時刻を知ることができるダイレクトフライト機能も搭載しており、計器然としたメカニカルなルックスはなんとも心強い。その上で、クロノグラフ付き多機能腕時計としては世界最薄の13.1mm厚も達成。チタニウムの軽さも手伝い、ストレスフリーな着け心地を楽しめる。

3本目AT9105-58L

『アテッサ』30周年記念の1500本限定モデル。縦3つ目クロノとアップライトインデックスが描き出すアクティブな表情で、ビジネスマンが最初に選ぶ1本としてもふさわしい洗練された空気をまとっている。12時位置のレトログラード式曜日表示やスポットライトをイメージしたという6時位置のサブダイヤルが、限定モデルらしい個性を表現してくれる。

4本目CC3010−51L

中心からベゼルまで、放射状に広がるサンレイ模様がさりげない上質感を漂わせる3針ウォッチ。12時〜6時に掛けて、光を感知して発電量を表示してくれるライトレベルインディケーターを採用しているため、より効率的に発電を行うことが可能だ。7時位置に配置されたサブダイヤルが左右非対称のルックスを作り出しており、腕元のアクセントとして一役買ってくれる。

5本目CB1070-56F

6時、9時、12時位置のアラビアインデックスがスポーティーな雰囲気を腕元に作り出す、ワールドタイム電波モデル。ベーシックな見た目ながら、ツーステップで世界の都市の時刻を確認できるダイレクトフライトなどの、シチズンらしい機能を存分に盛り込んでいる。サマータイムにも対応しているので、普段使いに限らず海外旅行の際のおともとしてもぜひ選んでほしい。

6本目AT6050-54L

無駄のないシンプルな3針デザインにより、TPOにこだわらず着用できるベーシックな1本。視認性の高いデイデイト表示も備えているため、ビジネスシーンにも最適だ。スーパーチタニウム(TM)の使用により着用感はいたって軽快だが、42mmのケース径が袖口で程よく主張してくれる。

7本目BL5530-57A

比較的お手ごろな価格で手に入れることができる『アテッサ』の入門機。ビジネスはもちろん、カジュアルシーンにも似合うメタリックな文字盤が印象的だ。エコ・ドライブ、10気圧防水、パワーセーブ、パーペチュアルカレンダーなど、このプライスレンジの中では十分すぎる機能を有している。

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