ブライトリング10傑。プロフェッショナルのための計器を腕元に

ブライトリング10傑。プロフェッショナルのための計器を腕元に

20世紀初頭、ライト兄弟の有人動力飛行などによって幕を開けた航空史。その時代から『ブライトリング』は大空への挑戦をサポートするべく、優れた航空時計を輩出している。

ワダ ソウシ

2018.05.23

ブライトリング(BREITLING)
腕時計

ブランド創成期からの精巧なクロノグラフが強み

ジュラ山脈の麓にある小さな村、サンティミエはスイスの中でも古くから時計産業が根付いた地である。この土地で1832年創業の『ロンジン』や1860年創業の『タグ・ホイヤー』、さらに『ブライトリング』も1884年に旗揚げし、数々の傑作腕時計を生んできた。

とりわけ『ブライトリング』は創成期から計時機器の製作を得意とし、また創業者レオン・ブライトリング氏が空への憧れが強かったこともあって、パイロット向けのクロノグラフの開発に着手。後世の航空時計に多大な影響を与えた「ナビタイマー」や「クロノマット」などが誕生した。近年では2009年に同社初となる自社製造のクロノグラフムーブメント、キャリバー01を完成させ、最高峰の機能性を実現している。

プロユースのための腕時計ブランド。その偉業と歴史を解説

『ブライトリング』の功績は、複雑な構造のクロノグラフの、進化の歴史と密接に関係している。さらにフィロソフィーに基づく正確性の追求や、創業者の空への情熱に応えるかのようなアビエーション活動も行っている。

偉業1世界初のプッシュボタン式クロノグラフを開発

懐中時計型のストップウォッチは1720年ごろに開発されていたが、『ブライトリング』は同機能を組み込んだ腕時計を1915年に実用化し、世界的に高く評価された。通常の腕時計よりもパーツ数が多くなるクロノグラフの小型化は困難を極めたが、持ち前の高度な技術力でやってのけたのである。この腕時計型クロノグラフはプッシュボタンが独立しており、1つのボタンでストップウォッチ計測の開始・停止・リセットが行える仕様だった。同モデル誕生100年を迎えた2015年には、この偉大なる発明に敬意を表した復刻版のリミテッドモデルをリリースしている。

偉業2クロノメーター認定ムーブメントを全モデルに搭載

クロノメーターとは、公的機関であるCOSC(スイス公式クロノメーター検査協会)がムーブメントの精度検査を行い、基準を満たしたもののみが認定される高精度の証し。5つの姿勢差と3つの温度差で15日間かけて行われるテストは、日差(1日の進み、遅れの度合い)−4秒〜+6秒までを許容範囲と定めているなど、いくつもの厳格な項目がある。『ブライトリング』は1999年に「クロノメーター宣言」を行い、全ラインアップをクロノ―メーター認定モデルにすることを発表し、現在も継続している。まさしく高い技術を持つ証明であり、“プロのための計器”を掲げる同社らしい特別なスペックの1つといえる。

偉業3空への挑戦を形に。エアロバティックス・チームの運営

創業者の時代から空とのつながりを深めてきた『ブライトリング』は、航空界への貢献として数々のアビエーション活動を行っている。その1つが、「ブライトリング・ジェットチーム」の運営。ジェット機7台から構成される世界最大の民間エアロバティックス・チームで、各地で行われる航空ショーなどでトップレベルの曲技飛行を披露している。日本では2013年5月に神戸・横浜・福島の空で国内初のフライトを行い、続く8月に再び福島で東日本大震災の復興を願ってのパフォーマンスを実施。多くの人々に感動を与えてくれた。時計作りだけではなく、社会貢献も率先して行動するのが同社の伝統でもある。

どれをとっても存在感満点。『ブライトリング』の名品10選

“空”をテーマにした航空クロノグラフを中心に、“陸”や“海”のスポーツウォッチも揃えるなど、『ブライトリング』のコレクションは実に多彩である。また半世紀を越えて続くロングセラーシリーズや自社ムーブメントモデルも存在し、末永く使い続けられる機械式腕時計がほとんどを占める。その代表的なコレクションを紹介しよう。

1本目ナビタイマー 1 B01 クロノグラフ 43

オリジナルは1952年に誕生した航空クロノグラフの代名詞で、世界規模のパイロット協会、AOPAの公式時計に選定された経歴を持つ。また史上初めて「航空用回転計算尺」を備えたシリーズとしても知られ、現行モデルは2010年に登場。自社製造のクロノグラフムーブメント、キャリバー01を搭載し、精度や信頼性が大きく向上している。2018年、ダイヤル12時位置の同社ロゴマークのリニューアルが発表された。ケース径43mm。30m防水。自動巻き。

2本目クロノマット44

1942年誕生の回転計算尺付きクロノグラフを再解釈するモデルとして、1984年に新生クロノマットがリリースされた。イタリア空軍の曲技飛行隊、フレッチェ・トリコローリとのタッグから生まれたこの名作をベースに、ハイスペックな自社製造ムーブメントを搭載して2009年にデビューしたのが現行のクロノマット44である。60分までの分計測に便利な目盛り付きの回転ベゼルは、操作性と安全性に優れるラチェット式の逆回転防止型。ケース径44mm。500m防水。自動巻き。

3本目トランスオーシャン クロノグラフ

1950〜1960年代に『ブライトリング』が開発した伝説的なクロノグラフを想起させる自動巻きモデル。直径43mmのラウンドケースに、曲面を描いた風防ガラス(サファイアクリスタル製)や丸型プッシュボタンを取り入れ、往年のノスタルジックな雰囲気を表現している。搭載ムーブメントは、全346パーツから構成されるキャリバー01。ほかと同じくCOSC認定クロノメーターを取得し、精度の高さは折り紙付きだ。なお裏側がガラス製のスケルトン仕様になっており、同ムーブの精緻な作りを見ることができる。100m防水。

4本目トランスオーシャン クロノグラフ ユニタイム

上と同じシリーズのトランスオーシャンに、ロンドン、東京、ニューヨークなど世界主要24都市の時刻を表示する機能を追加した多機能なバリエーションモデル。リューズを前後に回転することで文字盤外周の都市名リングと時間目盛りリングが連動し、現在地の“時”に合わせるだけで各都市の時刻が把握できる。針を止めることなく同操作ができるので利便的で、世界中を飛び回るビジネスマンや旅行者に最適な1本である。ケース径46mm。100m防水。自動巻き。

5本目スーパーオーシャンU 44

『ブライトリング』は“海”のカテゴリーでも卓越した腕時計を発売してきた。その代表格がスーパーオーシャンで、初登場は1957年。当時はレジャーダイビングが一般にも普及した時代で、信頼性の高いダイバーズウォッチの需要拡大を見越しての開発だった。現行の44mmサイズモデルは、1000m防水や飽和潜水に対応する自動式ヘリウムガス排出バルブを備えるプロ仕様。同じデザインでバルブなしの500m防水仕様や日本限定版も存在するなど、バリエーション豊かなのも特徴の1つ。自動巻き。

6本目スーパーオーシャン ヘリテージU 42

上で紹介したスーパーオーシャンのルーツでもある、1957年製モデルを復刻したのがスーパーオーシャン ヘリテージ。夜光付きの三角形の短針とひし形の時針のほか、12時・3時・9時位置には先をわずかに細くした形状のバーインデックスを取り入れるなど、オリジナルを連想させるディテールを採用している。ラチェット式逆回転防止型ベゼル、ミラネーゼブレスレットを搭載。日本人に適する42mmモデル以外に、圧倒的な存在感を放つ46mmのバリエーションもある。200m防水。自動巻き。

7本目アベンジャーU GMT

ミリタリーなタフシリーズとして生まれたアベンジャーで唯一、セカンドタイムゾーン表示を備える。2013年の誕生以降、日本限定バージョンも製作されるなど高い人気を誇っている同機。その理由として、存在感のある43mm径ながら厚さは12.2mmというスリムさにある。加えて視認性の高いスタンダードな3針スタイルを基本に、追加した赤いGMT針(24時間で1周)が絶妙なアクセントとして効いているデザインもキャッチーだ。24時間表示付きの回転ベゼルとの併用で第3時間帯まで把握可能。300m防水。自動巻き。

8本目コルト クロノグラフ オートマチック

指折りの信頼性とコストパフォーマンスを誇る自動巻きムーブメント、キャリバー13を搭載するクロノグラフとして2015年にリリース。反転色のサブダイヤルはそれぞれ、30分積算計を12時に、12時間積算計を6 時に、スモールセコンド(通常の時刻表示の秒)を9時にレイアウト。日付表示や普段使いに十分な200m防水も確保しており、実用性が高いことも支持されている。国内で最も権威がある「インポート・ウォッチ・オブ・ザ・イヤー」の2015-2016年ハイレンジ部門受賞モデル。ケース径44mm。

9本目コックピット B50

どれをとっても存在感満点。『ブライトリング』の名品10選 9枚目の画像

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フライトに関わるあらゆるデータを算出・記録する“計器”として生まれた、パイロット用クォーツウォッチ。長年にわたる研究によって初めて自社開発・製造へと至ったクォーツムーブメント、キャリバーB50を搭載し、専用アダプターを使って充電するバッテリー式を採用している。精密な1/100秒クロノグラフを筆頭に、アラーム、デジタル式の第2時間帯表示、カウントダウン・タイマー、バックライトなどの各種機能を装備。ベゼルは360度の方位目盛りが刻印された、両方向回転式。ケース径46o。100m防水。

10本目ベントレーB06

2003年、英国の『ベントレー』とパートナーシップを締結した同社は、両社の名を冠するブランドを発表し、独創的なタイムピースを展開。その中でも注目は、『ブライトリング』が1920年代に特許を取得したモータースポーツのための30秒クロノグラフを、現代に甦らせたキャリバーB06を搭載する「ベントレーB06」だ。スケルトンダイヤルはベントレー固有のラジエーターグリルを、シースルーバックから見えるローターはホイールを再現するなど、細部までのこだわりがすさまじい。ケース径49o。100m防水。自動巻き。

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