実は不明。クールビズのカジュアル化はどこまでOK?

実は不明。クールビズのカジュアル化はどこまでOK?

オフィスによって異なれど、クールビズのカジュアル化は実際のところどこまで許されるのでしょう。規定としてはOKでも、相手に与える印象という点から考えてみましょう。

池田 やすゆき

2017.06.26

トップス
クールビズファッション

スーパークールビズの現実はどこまでOK? ポロシャツ、開襟シャツ、Tシャツでジャッジ

クールビズ導入から13年。スーパークールビズも6年目を迎えます。ただ単にスーツのジャケットを脱いだだけ、ネクタイを外しただけのビジネススタイルではない、軽装ビズはかなり浸透してきましたが、相手への印象を左右しかねないビジネススタイル。「平服で」といわれて、普段着で行ってはいけないように、環境省のガイドラインどおりに着ていれば許されるというわけにもいきません。職種によって、立場によって、環境省のガイドラインで許されている「ポロシャツ」「アロハシャツ」「Tシャツ」が、どこまで現実で許されるのか再検証してみましょう。

ポロシャツで作るクールビズスタイル

ビジネスの基本である「襟付き」の服装。なぜ襟が必要かというと、ネクタイをすることを前提としたシャツが男性の正装とされるからです。ゴルフやテニス、ラグビーなど、ヨーロッパの伝統と格式を重んじる紳士の国発祥のスポーツは襟付きのユニフォームを着ますよね。スポーツウェアであるポロシャツは、襟なしのTシャツよりも落ち着いた大人のスタイルとして認知されているのです。でも何気なく着てしまうと体育の先生に見えてしまうので注意が必要です。

▼ポロシャツを選ぶポイント

ポロシャツだったなんでもいいという風潮ですが、実際にいろいろ着てみるとポロシャツには2種類あることがわかります。それは襟のつくりの違いです。一般的にリブニットになっているポロシャツの襟ですが、台襟と呼ばれるワイシャツと同様の仕立てになっているものは襟の立ち上がりがしっかりしていて見た目にも上品な印象です。テニスやゴルフで着るスポーツポロは、ニットの襟が身頃に直接ついているので襟が立ち上がらず平たんに広がります。よりかっちりと見せたいなら台襟付きのポロシャツを選ぶことをおすすめします。

『ラコステ』ビズポロ

ポロシャツといいつつ、いきなり前開きの長袖シャツですが、実は「ビズポロ」という言葉は、ラコステの鹿の子のロングスリーブシャツから始まりました。多彩な色柄が登場したり、いろいろなブランドとコラボして半袖になったりもしていますが、これがオリジンです。台襟付きですので、ネクタイをすることもできますし、ボタンダウンカラーで襟もとを開けても襟立ちがよいタイプもあります。

『エストネーション』ソフトベア鹿の子ポロシャツ

「ビジネスシャツに半袖なんてもってのほか!」なんてファッション誌が書き綴っていた頃に、いち早く半袖シャツをリリースしたエストネーション。それだけに半袖のシルエットには定評があります。その傾向はポロシャツにも受け継がれていて、細身でスマートかつコンパクトなシルエットは誰にでも似合うものです。台襟付きのポロカラーは、小振りでネクタイをするには向きませんが、その分ボタンを開けてもだらしなく広がらないので好印象です。

『ギローバー』カノコ カッタウェイ ポロシャツ

イタリアのドレスシャツブランドとして確固たる地位を築くブランドですが、近年はポロシャツの人気が高く、毎シーズン多彩なモデルがリリースされます。こちらはカッタウェイカラーのポロ。襟羽根が鈍角で、本来はネクタイを結ぶ襟型なのですが、前ボタンを開いても横にだらっと広がらないのでクールビズでも認知度が高まりました。リブなしの半袖もスポーツシャツとは一線を画す上品な雰囲気です。

『グリーンレーベル リラクシング』バーズアイボタンダウンポロシャツ

汗を吸収し、素早く乾かす、バーズアイ生地を使用したボタンダウンカラーのポロシャツ。襟もとがタイトに立ち上がるボタンダウンのポロは、ニット襟のポロシャツよりもビジネスに向いています。着丈が長すぎないため裾出しで着ても、スマートなシルエット。ダークグレーやロイヤルブルーなど落ち着いたカラーが揃っています。抗菌防臭加工もされているので、汗かきさんにも安心ですね。

『シップス』スキッパーポロシャツ

普通のポロシャツに飽きた方、周りと同じポロシャツビズに差をつけたい方には、第1ボタンのない、スキッパータイプのポロシャツはいかがでしょう。一般的なスキッパーは前立てにボタンがありませんが、こちらは1ボタンが付いているので襟もとが開きすぎることがありません。そのうえ台襟も付いているので見た目も上品。高機能消臭糸を使っていて、抗菌作用も付加されています。

▼着こなしのポイントは

普段着のカジュアルとしてのポロシャツスタイルは裾出しでラフに着たいものですが、クールビズでは基本的に裾はパンツにインが正解です。あくまでドレスシャツの代わりですので、ネクタイを外してシャツの裾をアウトにしては、だらしなく見えるのと同じく、ポロシャツも裾はインにしたほうが、仕事相手に上品な印象を与えますので。もちろんカジュアルが許される職種なら、この範囲ではありませんが。

ワイシャツ感覚で白いポロシャツを着てしまうと、クールビズは体育の先生になりがちです。そこでおすすめなのが、ビジネスカラーの定番色であるネイビーポロ。ボトムスはグレーパンツで合わせればコンサバティブですが、ネイビーパンツの同系色で合わせればよりスタイリッシュです。

グレーポロならよりモダンな印象です。パンツはコントラストをつけた黒が似合います。ポロシャツのインに白Tを着て、襟もとからのぞかせるのもちょっとしたテクニック。モノトーンビズがクールにキマります。

白ポロシャツの場合、あえてジャケットを羽織るという手も。白シャツ感覚でネイビージャケットとグレーパンツをコーディネートすれば、布帛のドレスシャツとは一線を画す上品カジュアルなクールビズがコーディネートできます。

アロハシャツで作るクールビズスタイル

スーパークールビズになった途端にOKとなったアロハシャツ。環境省の職員がアロハで登庁する様子をTVのニュースで見た人もいるのでは。確かにハワイでは、正装とされるアロハシャツですが、現地のお役所やビジネスマンでもド派手な色柄のものは選びません。ビジネスの相手に「派手な色柄だなぁ」と嫌悪感を抱かれては、「いえいえアロハですから」と言い訳をして「それなら好感です」とはなりませんので。さらに、本来アロハシャツも裾はパンツにタックインするのが正解。厳密なドレスコードをいえばきりがありませんが、日本のビジネスマンが仕事着として着ても好感を保てるアロハシャツについて検証しましょう。

▼アロハシャツを選ぶポイント

あくまでビジネス使いするなら、アロハシャツとはいえ派手な色柄は避けるべき。色は寒色もしくは濃色系の1〜2色使いのものがいいでしょう。柄は幾何学模様など、モダンな柄なら間違いありません。地味柄のアロハシャツを意識して選ぶことで、アロハビズでもビジネスマナーを損ねないスタイリングができます。

『レインスプーナー』

ハワイで正装アロハといえば、こちらレインスプーナーのものが選ばれます。なかでもこの「ラハイナセーラー」柄は、さまざまなハワイのモチーフを抜染という裏染めの技法で染め抜いた者。発色が控えめで単色使いなので、ビジネス使いもできるのが特長です。実際にハワイでも、お堅い職業の方に好まれています。

『フリークスストア』

アロハシャツといいつつ細身のシルエットでボタンダウンカラーなので、上品に着られる一枚。レーヨンなどアロハの特有のテロっとした素材ではなく、デニム素材なのでカジュアルシャツの延長で着られます。ヤシの葉柄のプリントもデニムカラーの抜染なので、大人っぽい雰囲気なところはビジネス向きです。

『レミ レリーフ×ビームスプラス』

白ベースに単色柄なら、派手すぎずビジネスアロハの範ちゅうです。しかしながらアロハシャツのテロっとした素材感や、襟もとが開いているオープンカラーはラフな印象が強く「仕事着」という印象は薄いので、業種や職種によっては避けたほうがいいでしょう。

『パラダイスベイ』

テロ感や光沢感の強いレーヨンのアロハシャツより、ビジネス使いするならコットン素材のドライな素材のほうが上品に見えます。こちらのようにかすれた風合いのプリント柄も、落ち着いて見えるポイント。大人のアロハシャツとしてビジネスに着るなら、このぐらいの滋味あるほうが好印象です。

▼着こなしのポイントは

正装で着るアロハシャツは、裾をパンツにタックインしますが、近年アロハシャツは裾出しもOKとなっています。パンツは必ずクリース入り、足元は革靴。スーパークールビズではスニーカーも許されるようになりましたが、オフィスでアロハシャツ&スニーカーではカジュアルすぎますので心得ておきましょう。またアロハシャツは素肌に一枚で着るのではなく、インにTシャツを着るのが最もフォーマルな着方です。これはヴィンテージのアロハなどを着る際に貴重な生地を守るために推奨されたものですが、前ボタンを全部とめて、あえて白Tを首元にのぞかせることで「きちんと感」を出して着るのがアロハシャツを上品に見せるポイントになります。

リゾートホテルのスタッフのアロハシャツスタイルは、クールビズで着るアロハシャツスタイルの1つのヒントになるでしょう。アロハの選びはシックなものを。きちんとトップまでボタンを閉じて、パンツはチノパンもしくはグレーパンツで、品よく着るのがポイントです。

色数を押さえたアロハシャツのスタイリング。極彩色のアロハシャツは、どうやってもリゾート気分が強いので、色数の少ないアロハをおすすめしましたが、パンツの色もシャツ色にあわせて黒やネイビー、白などのベーシックカラーを選べば派手さを抑えてくれます。

アロハシャツのなかに白Tを着ることで、汗染みを抑えると同時に品よく見せる効果を発揮。こちらのコーデはあくまでカジュアルなのでハットやネックレスをしていますが、大胆な色柄も白シャツを差すことで、落ち着いた印象になっています。

Tシャツで作るクールビズスタイル

襟なしのTシャツをビジネスに着るのは、本来NGとされてきましたが、スーパークールビズではジーンズ同様「TPOに応じた節度ある着用に限り可」とされています。さすがに派手なロックTや、プリントT1枚ではビジネスとはいえませんが、シンプルなTシャツならオフィスの雰囲気を壊すことなく着られますので、そのあたりを検証してみましょう。

▼Tシャツを選ぶポイント

まずは無地であること、そして襟もとがつまったクルーネックであることが大前提です。プリント入りのTシャツやVネックなどのTシャツはビジネスでは着用しないように。素材はコットンでいいのですが、透けるように薄手のものはエレガントとはいえません。ワイシャツ1枚のビジネススタイルでも印象が悪いように、汗でびっしょりぬれているのいただけません。シャツやジャケットを一枚羽織るなど、厚手の生地選びや、Tシャツを重ね着するなどのテクニックでTシャツビズを攻略しましょう。

『ユナイテッドアスレ』

シンプルな白Tですが、7.1オンスと厚手の生地を使っていますので透けにくく、度重なる洗濯にも強いので安心。1枚で着ると部屋着っぽくなりやすく、ラフに見えますのでシャツやジャケットを羽織って着るのがおすすめです。

『ナノ・ユニバース』

起毛したパイル地のTシャツなら1枚でも透けるのを心配することなく着こなせます。汗をかいても汗染みが目立たず、ほどよく上品な印象なのでビジネスTシャツにはおすすめです。ポケット付きも、アウターTシャツの趣。でも実際にものを入れると、Tシャツがだらしなく引っ張られるのでご注意を。

『セントジェームズ』

バスクシャツとも呼ばれるボーダーシャツは、本来は水夫のユニフォーム。マリンウェアとしてカジュアルに人気のアイテムですが、オフィスでもこれなら上品に見えるはず。マイユと呼ばれる厚手の生地で透けにくく、七分袖というのも品のよい印象です。

『アディダス』

トレーニングウェアなどのスポーツTシャツなら、ラフなカジュアルアイテムという印象を与えないので、クールビズの範ちゅうとして着ることができるはずです。会社帰りに、そのままジムに行くこともできますね。

『スリードッツ』

ボタンで首元が開けるヘンリーネックは、あえてボタンをきっちり閉じることで上品に着ている感を演出できます。ダークカラーのものを選べばよりシック。なかに白Tを着て、重ね着でコーディネートするのも、大人っぽく見せるポイントです。

▼着こなしのポイントは

Tシャツ1枚で着るなら、厚手で透けない素材がマストですね。薄手のものなら配色を考えてTシャツ2枚を重ね着するという手もあります。ジャケットや半袖シャツ、アロハを羽織ったりするのもビジネスTシャツを着こなすテクニックです。いずれの場合も、無地を選ぶことをお忘れなく。

グレーのTシャツに黒のセットアップスーツ。ここでのスーツは機能素材を使ったユーティリティーなものですが、十分オフィスで通じるコーディネートです。足元はスニーカーでも軽快ですが、もちろん革靴でもOK。素足履きが許されるオフィスなら、よりおしゃれ感も高まります。

ロンTをインに重ね着したスタイルは、美容師さんによく見られるコーディネートですが、クリエイティブなオフィスならクールビズに活用する手もあります。あまりピタピタ過ぎないほうが、大人っぽく見えますよ。

こちら、実際にはフェイクレーヤードですが、ネイビーTシャツのなかに白Tを差すことで着こなしが上品な印象に仕上がるので、オフィスTシャツビズにも使えそうです。Tシャツを重ねるなんて暑苦しいのでは? と思われるかもしれませんが、汗染みを防いだり、乳首が浮き上がるのを防いだり、なにかと役立つテクニックです。うまく着こなせるようになると、夏のカジュアルスタイルにも幅が出しますよ。

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