今さら聞けない。スーツの専門用語を徹底レクチャー!

今さら聞けない。スーツの専門用語を徹底レクチャー!

スーツを買うとき、難しい専門用語についていけない……。そんな不安を解消するための、最低限の用語をご紹介。用語を押さえれば、より理想的なスーツに出会えるはずです。

池田 やすゆき

2017.04.03

アウター
スーツ

実は知らない人が多数。スーツ用語を解説します。

スーツの専門用語ってだいたい英語なのでわかりやすいモノもあるんですが、中には、よくわからないモノもありますよね。ショップで試着する際にスタッフに聞くのも「そんな当たり前のこと?」って思われたらいやだなー、なんてちゅうちょしたり。そんな「いまさら聞けない」用語を解説します。

一問一答ですっきり! スーツ用語

お店でスーツを買うときに、スタッフに「○○○はどうします?」とか「×××のほうがいいですか?」って聞かれたときに、本当は何をいってるのかわからなくても「うん、そうですね」なんて口にしてしまったことがありませんか? 「○○○って何のこと?」「×××だとどう見えるの?」そんな、今さら聞けない質問にお答えします。

▼まずはスーツのジャケットに関する用語を確認

スーツを試着するときは、まずジャケットを羽織ってみてサイズ感を確かめると思います。その際、各部のデザインの好みを聞かれることがあります。「ラペルはもう少し太いほうがいいですか?」「スラントポケットはいかがですか?」。そんな質問に、どう答えていいかわからない方は、ぜひ読み進めてみてください。

チェック1「カラー」って、色のことではないですよね?

「カラー」とは上襟のこと。ジャケットの首にあたる襟部分を指します。「カラー」がぴったりと首筋に吸い付いていることが、自分のサイズに合うジャケットですので、「カラー」が抜けている(首筋から浮いている)ジャケットはサイズダウンするか、ほかのモデルを選ぶようにしましょう。

チェック2「ラペル」が太いのと細いのはどう違うんですか?

上襟を「カラー」、下襟を「ラペル」といいます。ラペル幅は細いほどモダンで若々しく、太いと貫禄のある大人っぽいイメージになります。最近のスーツはシルエットも細身なので、ラペルも細い(ナロウ)モノが多いですが、あまり細いモノはモードっぽく見えてしまうので、ビジネススーツには適度なラペル幅が望ましいのです。

チェック3「ゴージ」位置が高いと、どう見えるんですか?

「ゴージ」とは、「カラー」と「ラペル」がつながっている部分。たいていのスーツは、上襟と下襟を別々に作って縫い合わせています。「ゴージ」位置は流行によって高さが代わりますが、最近のモダンなスーツは「ゴージ」位置を高く設定しています。80年代のスーツはゴージ位置が低いので、今着ると少しレトロに偏りすぎてしまうことも……。

チェック4「ラペルホール」って何のためにあるの?

左側のラペルに小さめのボタンホールが空いています。別名を「フラワーホール」といって、文字通り花を挿すための穴です。本来は本当に花を指しておしゃれをするためのモノで、その名残なのです。ビジネススーツの場合は社章を付けることが多いですよね。結婚式の新郎はブートニエールという花をこの穴に指すこともあります。

チェック5「チェストポケット」って、どのポケットのこと?

一般的なジャケットの表には左胸に1か所、左右の腰に各1、計3か所ポケットがあります。チェストポケットとは、左胸のポケットのこと。「チェストポケット」は、布を外から縫い付けた「パッチポケット」と、口布をあてて裏に袋布を取り付けた「切りポケット」の2タイプがあります。

口布の形状が船型に湾曲しているモノは作りが難しい「バルカポケット」というモノで、南イタリアのスーツ職人が腕自慢をするために作られたといわれます。一般的に胸ポケットは切りポケットのタイプがドレッシーとされ、胸ポケットがパッチ式のジャケットはカジュアル用です。ちなみに左右の腰ポケットはウェストポケットまたは腰ポケットと呼ばれます。

チェック6「スラントポケット」ってただのデザインじゃないの?

ジャケットの腰ポケットが斜めになっているデザインをスラントポケットといいます。これはイギリスの高級スーツによく見られたデザインなので、スラントポケットのスーツは「英国式」ということになります。イギリス以外の国のスーツでスラントポケットを採用しているモノは、イギリス式のスーツを意識したデザインということになります。ちなみにジャケットの腰ポケットは元々モノを入れるための機能デザインではありますが、モノを入れるとシルエットが崩れますので、使わないほうがいいでしょう。

チェック7「チェンジポケット」って、“変えたポケット”って意味?

「チェンジ」とは、お釣り・小銭のこと。チェンジポケットとは、右側の腰ポケットの上部に取り付けられている小さめのポケットのことです。切符を入れる用として「チケットポケット」と呼ばれることもあります。スラントポケットと併用されることも多く、その場合はメインのポケットと平行して斜めに取り付けられます。腰ポケットと同じく、実際には使わないほうがいいでしょう。

チェック8「フロントカット」って、よく見ると違いますよね?

ジャケットのラペルから続く前裾が曲線となって裾に続いている部分をフロントカットといいます。一般的にイギリス式は開きが狭く、イタリア式は開きが広いといわれます。このハの字の部分が大きく開いているモノを「カッタウェイ」といい、ナポリ式のスーツによく見られるデザインです。どちらにしても単なるデザインの違いです。

チェック9お店で「袖口は本切羽にしますか」といわれたんですが?

ジャケットの袖のボタンを飾りボタンといいますが、ボタンを開けられるモノと、開けられないモノがありますよね。開けられるモノを「本切羽」といいます。「本切羽は高級スーツの証」といわれることがありますが、これは一概にはいえません。というのもイギリスの高級仕立てスーツには閉じているモノが多いから。「本切羽」は、ジャケットの袖口のように開ける必要のない部分を、わざわざ開けるという手間をかけることを“粋”としたからで、仕立て職人が腕を競う部分だったのです。本切羽は有料オプションということもありますが、好みで選べばOK。ちなみに閉じているモノは「開き見せ」といます。

チェック10「サイドベンツ」と「センターベント」は、どっちがいいの?

ジャケットのうしろ裾の真ん中が割れているのを「センターベント」、腰横が左右が切れ上がっているのを「サイドベンツ」といいます。センターベントは乗馬服に由来して馬に跨がったとき裾が鞍に干渉しないように、別名「剣吊り」ともいうサイドベンツは、剣を抜くとき裾が邪魔にならないよう軍服に由来するという説が有力です。若々しくモダンなスーツはセンターベントを採用する傾向が高く、貫禄や威厳があり社会的地位をアピールするスーツはサイドベンツが多いようです。ちなみにフォーマルスーツのジャケットは「ノーベント」といって、ベントがないのが正式です。

チェック11「ナチュラルショルダー」って着心地がいいの?

肩のラインから袖付け部分にかけて、落ちるように自然なラインを描くフォルムを「ナチュラルショルダー」といいます。肩パッドを省いた仕立てが増えているため、ナチュラルショルダーが多くなっていますが、パッドの有無やショルダーラインが着心地に影響することはありません。ちなみに袖付け部分をポコッと持ち上げたモノを「ロープドショルダー」、肩先に向かってほんのり上向くようにカーブするシルエットを「コンケーブショルダー」といいます。

▼スラックスのパーツを確認

ジャケットの次はスラックスです。スラックスは必ず裾丈を調整しますので、スタッフとのコミュニケーションのためにも、丈やシルエットについては多少の知識があったほうがいいでしょう。各部の名称とともに、押さえておきましょう。

チェック12「プリーツ」があるパンツとないパンツがありますが?

ここ10年ほど折り目(クリース)上部が折り返されていないフロントフラットな「ノープリーツ」と呼ばれるスラックスが主流でした。しかし昨年あたりからこの「プリーツ」を入れたパンツが流行しています。ちなみにこの「プリーツ」、「タック」といって「ワンタック」「ツータック」と呼ぶのが正解なのですが、流行りのパンツは「ワンプリーツ」「ツープリーツ」と呼ばれます。プリーツが入ることで、腰回りに余裕ができて裾へ向かって細くなるシルエットが強調されるのがいまどきのボトムスシルエットなのです。

チェック13「ピンループ」って、何のために付いてるの?

スラックスの腰前部分に、1.5cmほどのループが付いていることがあります。これは「ピンループ」といって、ベルトのピンを通して固定するモノ。バックルがウェストからずり上がったりするのを防ぐためについています。欧米の高級仕立て服には付けられている場合が多く、それを真似たディテールですが、必ずしも使わなくてもいい仕様です。

チェック14裾の「ダブル」って、何センチにするべき?

パンツの裾を折り返す「ダブル」と、折り返しのない「シングル」があります。冠婚葬祭用のスーツなら、シングルのほうがフォーマル向きですが、ビジネススーツなら折り返しはあったほうがいいでしょう。裾幅20cm前後ならダブル幅は一般に4.5cmといわれますが、最近は19〜17cmなど細身になっていますよね。裾丈をくるぶしぎりぎりぐらいまでにして、ダブルも4〜3.5cmと細幅にするのが流行です。しかし同時に細い裾幅に、あえて5cmぐらいの太幅ダブルにするというこだわり派もいらっしゃいます。

チェック15「モーニングカット」って、何のこと?

「モーニング」とは、フォーマル用のコートのこと。フォーマル時のスラックスは、裾から靴下がのぞくほど丈が短いのはいけません。むしろ少し靴にかかるぐらいに仕上げます。その際、裾の前側を短く、うしろ側を長くして、斜めにカットすることを「モーニングカット」といいます。冠婚葬祭用のパンツは「モーニングカット」で仕上げてもいいでしょう。

チェック16「テーパード」ってよく聞くけど、何のこと?

英語でTAPERとは先細りのこと。パンツの裾に向かって細く絞られていくシルエットのことをいいます。スラックスはヒップから太もも部分がもっとも太く、そこから膝、裾へと細くなるモノですが、膝部分の幅と裾部分の幅の差寸が小さいモノをストレート、差寸が大きいモノをテーパードといいます。少し前までは膝下ストレートといわれるシルエットが主流でしたが、昨今は後者が人気となっています。

▼知っておきたい、スーツの専門用語 番外編

スーツ各部の名称以外にも、知っておきたい専門用語があります。「なんとなく耳にしたことあるけれど、意味はよくわからない」、そんなキーワードをピックアップしてみました。

チェック17「パターンオーダー」って、どんなオーダー?

オーダースーツには、各部を細かく裁断し型紙を作ってから仕立てる「フルオーダー」と、既製の型紙を微調整してから仕立てる「パターンオーダー」があります。後者のほうが手順が省略でき、安価にオーダーすることが可能。多くのスーツ専門店ではこの「パターンオーダー」を採用しています。ただし、「パターンオーダー」は調整できる部分とできない部分があり、「フルオーダー」より自由は利きません。とはいえ調整できないのは「ラペルの幅」や「ポケットの形状」など、どうしても思いどおりにしたい箇所ではない場合が多いのも事実。むしろ気にいった色柄の生地を選べて、フィッティングを高められる「パターンオーダー」で十分なのです。

チェック18「サヴィルロウ」って何のこと?

「サヴィルロウ」とは、ロンドンの通りの名前。この通り沿いに10数件の仕立て屋が並んでいて、世界中から洒落者がスーツをオーダーしにやってきます。おしなべて「サヴィルロウ」スタイルといい、英国スーツの定形にようにいわれますが、実際はテーラーごとにスタイルも仕立て方も違っていて、かつてはそれぞれが競い合うように発展してきましたが、現在では既製服スーツのブランドを展開する店もあり変化してきています。

チェック19「クラシコ・イタリア」ってサヴィルロウみたいなこと?

イタリアは都市ごとにテーラー文化があり、北と南でもスタイルは異なります。そんな中国内の有力のメーカーが集まり「クラシコ・イタリア」協会という団体を設立して、伝統の仕立て文化を守っています。とはいえ頑なに古クサい技術を継承するのではなく、時代に即した「最高の技術と素材で生み出す服」こそが「クラシコ・イタリア」。スーツに限らず、シャツ、ニット、ネクタイやコートまでトータルで、最新の機能素材を駆使したモダンなアイテムも多数あります。「クラシコ」とはClassic(最高峰)の意で、古典的という意味ではありません。

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    編集フカザワ

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