ダブルジャケットはどう着る? 選び方&着こなし方一問一答

ダブルジャケットはどう着る? 選び方&着こなし方一問一答

スーツのクラシカル回帰がトレンドといわれるなか、ダブルジャケットが注目されています。ハードルの高いアイテムですが、初心者でもOKな選び方や着こなしを紹介します。

池田 やすゆき

2018.02.07

アウター
ジャケット
テーラードジャケット

クラシック回帰の傾向で、ダブルジャケットが注目されています

ここ数シーズン、あらゆるブランドがダブルブレストのジャケット&スーツを提案しています。クラシック回帰といわれるスーツのトレンドに合わせて、最初は「え? ダブル?」と敬遠していた人たちも、「ダブルなかなかいいじゃん」に変化しつつあるんです。

一問一答でクリア。ダブルジャケットを攻略する方法

定番のシングルと比較して、ハードルが高いと感じるダブルですがご心配なく。選び方や着こなしのポイントを一問一答形式でご紹介します。

Q1:そもそもダブルジャケットの起源は?

Q1:そもそもダブルジャケットの起源は?

シングルブレストは英国貴族の執務服が起源とされ、今から100年ほど前に現在の形になったといわれています。それ以前は西洋美術の絵画に見られるような、体のラインがぴっちりと浮き上がる、中世貴族のようなボディスーツが主流でした。ほら、あの白いタイツを履いてるやつですよ。

ダブルブレストがどのような服から派生したのかには諸説ありますが、その1つに「海軍の制服」という説があります。海軍兵が船の甲板で強い風が吹きすさぶなか、微動だにせず直立しているときに風が吹き込むのを防ぐため、ダブルブレストの外套(がいとう)を着ていたというのです。

とはいえ、これだけでは私たちが知るダブルブレストとは少し縁遠いかもしれませんね。馴染みあるところで解説すると、たとえばピーコート。リーファーカラーと呼ばれる大きな衿が特徴的なピーコートは、風向きに合わせて前袷を変えることができるようになっていました。

右方向からの風が吹いている時は右前を上に、左方向の風が吹いている時は左前を上にすることで、風がジャケットのなかに吹き込まないようになっています。このピーコートにから派生して、今のダブルブレストが生まれたといわれています。

Q2:「ダブルジャケット=貫禄」というイメージはどこからついたもの?

Q2:「ダブルジャケット=貫禄」というイメージはどこからついたもの?

ダブルと聞くと「コワモテ」とか「貫禄」といったイメージがつきまといます。これは軍服由来という男臭さがあるからなのですが、もう1つの理由に「バブルの頃、金持ちのオヤジの間で流行したから」というイメージがあるようです。

80年代後期のバブル経済下、主に不動産系の“オヤジ”の間でダブルのスーツが流行ったんですね。たまたまその当時の先鋭的なデザイナーズブランドのトレンドが肩パット入りのソフトスーツだったところに、日本の好景気が重なってそのブームが起きたので、ダブルのスーツにセカンドバッグというスタイルが“バブルオヤジ”の象徴となりました。

Q2:「ダブルジャケット=貫禄」というイメージはどこからついたもの? 2枚目の画像

OK! バブリー! とばかりに、お金にモノをいわせてブイブイやっていたコワモテの人たち=ダブルのスーツという図式が、今もダブル=イカツイというイメージを残しているのです。

しかし今の時代のダブルは当時のダブルとは別モノです。安心してください、コワくないですよ。シルエットはスリムかつコンパクトになり、肩パッドもありません。もちろんセカンドバッグも合わせません。

Q3:今っぽいダブルジャケットってどんなタイプ?

10年ほど前に、某ラグジュアリーブランドがダブルを提案したとき、それまでのダブルとはまったく違うシルエットに業界が震撼しました。それまではピークドラペルが胸元に雄々しく張り付き、ショートコートのようにヒップがしっかり隠れる着丈で、パンツも今よりゆったりしたシルエット。

しかし新型ダブルは、肩はコンパクトでピークドラペルは細身、着丈もハーフヒップというすっきりとしたデザイン。しかもスリムパンツを合わせていて、まるでダブルのライダースをテーラードジャケットにアレンジしたか、あるいは60年代のモッズがあえてジャケットをダブルにしたかのようなロックなイメージのスタイルだったんです。今どきのダブルは、新型ダブルをベースに時代に合わせて進化させたモノ。最近では機能性の高い生地を使用し、快適な着心地にこだわったモノが多く見られます。

Q4:やっぱり会社には着ていけないですよね?

ダブルって上司が着ている印象でしょうか? バブル時代のような肩パッド入りでイカツイものだと会社で浮いてしまいますが、今どきダブルは当時とは比べものにならないぐらいコンパクトなシルエットでモダンに着られます。タイドアップには細幅のタイがおすすめですよ。

Q5:ダブルジャケットを選ぶときに気をつけることは?

今どきのダブルのポイントはコンパクトなフォルムにありますが、昔のダブルを知らない人からすれば「どこがコンパクトなのか、わからない」と思いますので、見立てるポイントを以下に。

1.肩パッドが薄い、または使われていないこと。
2.袖付け部分がビルドアップ(盛り上がっていない)こと。
3.ピークドラペルが大きすぎないこと(ただし、わざとワイドラペルにしているデザイナーズブランドもあります)
4.腰ポケットがパッチ式
5.着丈はヒップが覗くぐらいの短め丈。
6.ボタンを掛けたとき、ウェストがぴったりスリムフィット。

これらの条件を3つ以上満たしていれば、今どきダブルといえるでしょう。

Q6:はじめてのダブルはスーツ、それとも単品ジャケットを選ぶべき?

用途にもよりますが、はじめてのダブルならカジュアルにも着られる単品ジャケットがいいのではないでしょうか。

シルエットやデザインのセレクトはQ5の回答に準じますが、もう1つのポイントとして“織り感”のある素材選びです。いわゆるウールサージのような、つるっとした梳毛素材のダブルは、どうしてもドレス感がつよくなりますので、ホップサックやブークレーなど、カジュアルに見える素材を選ぶのがおすすめ。カジュアルな素材でもドレッシーに見せてくれるのがダブルの良さでもありますので。

スーツを選ぶならネイビーのフランネルなど、やはり紡毛系の素材がいいですね。

Q7:ダブルジャケットってカジュアルにも着られるの?

ダブルジャケットはドレス感が高いので、ビジネスやフォーマル用と思われているかもしれませんが、今どきダブルは仕立ても素材も軽快でカジュアルなタイプがあるので、オフに着ることだって可能です。とくにタートルニット&ダブルジャケットという組み合わせは、ドレスコードのゆるい業種や休日のデートにも使える着こなしです。

Q8:カジュアルにダブルジャケットを着るなら、どんなコーディネートがベスト?

タイドアップすると、とたんにキマリすぎてしまうので、まずはノータイでシャツの襟元をあけてラフに着こなしてみましょう。ボトムズは細身を選んだほうがモダンでスタイリッシュな印象です。ホワイトジーンズやチノパンなど、カジュアルなパンツを合わせたほうがダブルの重厚感を払拭できますよ。

Q9:さすがにスポーツMIXに着こなすのは難しい?

ダブルジャケットを手っ取り早くスポーツMIXに着崩すならスニーカーが便利です。ボトムズはジーンズをあわせて足元は『ニューバランス』なんて組み合わせがおすすめです。

Q10:初心者でもさまになって着回しやすい1着が知りたい!

ダブルジャケット初心者なら、メタルボタンのジャケットを選ぶのがおすすめです。メタルボタンで腰ポケットがパッチ式のタイプなら、ブレザー感覚で着ることができます。タイドアップしてビジネスにはもちろん、ノータイでカジュアルに羽織ってもOK。

Q11:初心者におすすめのダブルジャケットのコーディネートを教えて

コーデ1紺ジャケ感覚で紺無地タイと合わせる

シングルジャケットと同じ感覚で着ても、コワモテにならないのが今どきダブルのいいところ。白シャツ&紺の無地タイでコーディネートは鉄板です。ボトムズはグレーパンツでもOKですが、ベージュのチノパンにしてカジュアルな気分をプラスするのが◎。

コーデ2カーディガン感覚でカットソーに羽織って

ボタンを閉じずに羽織るスタイリングなら、よりカジュアルに。インナーはカットソーぐらいがリラックスした気分を煽ります。ゆるめのジーンズ&スニーカーというのもラフな感じで好印象。ジャケットの素材は、できるだけカジュアルなほうがいいですね。

Q12:旬のダブルジャケットが揃うブランドが知りたい

最後におすすめブランドをピックアップ。旬度が高い5着をご紹介しましょう。

ブランド1『タリアトーレ』

いまや破竹の勢いの、イタリアの南端プーリア州マルティナフランカのファクトリーブランド。短めの着丈と、高い位置で絞り込んだウェストの美シルエットが特徴的で、こちらはその代表的なモデル「モンテカルロ」。シャドーウインドウペンの織柄が浮き上がるウール素材は、単なるネイビージャケットとはひと味違います。

ブランド2『ザ・ジジ』

『ボリオリ』から独立したデザイナーのピエルイジ・ボリオリ氏が手がけるシグニチャーブランド。「DON'T LOOK BACK(過去を振り返るな)」と入ったループが、デザイナーの意識を表す新進ブランドは、従来のメンズファッションでは見られないような個性的な素材を使うことで知られています。こちらのダブルジャケットは「ジギー」モデル。モダンなバスケットチェックの織り模様に、このブランドの定番であるヴィンテージ風の足つきボタンがオリジナリティーを醸し出します。

ブランド3『ラルディーニ』

ラペルについた花飾り(ブートニエール)がブランドアイコンとなっている『ラルディーニ』。今主流の軽い仕立てのジャケットを得意とするファクトリーブランドです。その軽快な着心地を表すかのように、本アイテムのモデル名は「イージー」。一見普通のネイビーのダブルジャケットですが、生地はソラーロ生地にヴィンテージ加工を施したモノ。「一見普通なのに、なんかおしゃれに見えるなぁ」と思わせるジャケットなら、このブランドから選べば間違いありません。

ブランド4『イレブンティ』

今どきな軽い仕立てのジャケットを得意とするミラノのブランド。ダブルの「雄々しさ」を引き立てるピークドラペルを、細身にすることでスマートな印象に仕上げたジャケットは、カットソーの上から羽織ってリラックスしたスタイリングが可能です。春夏にぴったりなコットン素材。

ブランド5『チルコロ1901』

もともとカットソー生地やジャージー素材を扱うのに手慣れたファクトリーだけに、ジャージージャケットに定評があります。伸縮性に富むので、着心地は軽いのに、見た目はきちんと上品なところから“会社に着て行けるジャージージャケット”として人気です。こちらはデニム風のジャージー素材を使った1着。スウェットシャツを着ているかのような快適さに驚きです。

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