ライター平 格彦氏が語る。ミニマリストの基礎と実践

ライター平 格彦氏が語る。ミニマリストの基礎と実践

ライターの平 格彦氏に、ミニマリストの考え方と実践方法を語っていただく当企画。断捨離の考え方や、残した服を着回す方法も教えてもらいました。

平 格彦

2016.08.19

夏の着こなし・コーデ

ライター平 格彦氏が語る“ミニマリスト”とは?

ライター平 格彦氏が語る“ミニマリスト”とは?

「“ミニマリスト”は“必要最低限しか持たない人”という意味ですが、そのレベルはいろいろ。私の場合は、本当に気に入ったものを厳選して、ライフスタイルやファッションスタイルをシンプルに……というイメージです。

“ミニマリスト”であることは目的でなく、あくまで手段。幸せであるためにシンプルでありたいというとちょっと大げさかもしれませんが(笑)」

平 格彦 氏が “ミニマリスト”にめざめたきっかけ

「私が好きな言葉のひとつが“LESS IS MORE (より少ないことは、より豊かなことだ)”。取材でもお会いしたことがある本田直之さんが2012年に上梓した『LESS IS MORE 自由に生きるために、幸せについて考えてみた。』という書籍でその意味を深く知りました。

モノが豊富にある日本では幸せを感じることができず、幸福度ランキングの上位は常に北欧の国々。モノが少なくてシンプルな暮らしでも、自然や旅を通じて豊かに暮らしている人々がオセアニアにもいます。

モノなどの制約に縛られる物質至上主義から解放されること、つまり、ミニマリストになることこそ自由で幸せなんじゃないかと思うようになったきっかけです。」

何を処分? 平 格彦 氏が“断捨離”をする際に参考にしたもの

「ワードローブを絞り込んでいく際にもいくつかの本を読みました。 『人生がときめく片づけの魔法 』 や、続編も人気の 『フランス人は10着しか服を持たない』 はその筆頭。ほかの書籍も含め、取り入れたいと思ったポイントのみを抽出してアレンジしました。

とりあえず、1年間ほとんど袖を通さなかったアイテムは迷わず処分。ノームコアともいえるシンプルなスタイルを軸として考え、そこからはみ出す個性の強いアイテムも省きました。

さらに実用性も重視し、素材を含めた機能、パッカブルなどの利便性、収納力などの点で劣るアイテムは処分するように。また私は汗をかきやすいので、汗でぬれた部分が目立つ色みも避けるようにました。」

平 格彦氏がワードローブとして選んだ13のアイテム

ライターの平氏が断捨離を行った中で、自身のワードローブとして残したアイテムたちを紹介してもらいます。ファッションライターとして活躍する同氏が「これは捨てられない」と残した13のアイテムは、必見です!

『ビーミング by ビームス』セットアップ(パッカブルジャケット&アンクルパンツ)

『ビーミング by ビームス』セットアップ(パッカブルジャケット&アンクルパンツ)

「カジュアルなセットアップがあると着回の幅が一気に拡大。セットでも単体でも使えるタイプを揃えておくとかなり便利です。

このセットアップは少しゆったりしたシルエットとシンプルな使用が特徴的。さらに、ドットエアーという高機能素材の一枚仕立てで、通気性と撥水性が抜群です。ストレッチ性もあるので快適に着こなせます。」

『アンルート』バンドカラーシャツ

『アンルート』バンドカラーシャツ

「男性の着こなしに必須の白シャツも、バンドカラーなら少し個性が演出できます。それに、わりと似合うってことに気づいたので(笑)。

コットン100%のオックス地が薄手で、上品な印象が演出できます。完全なノーカラーではなくバンドカラーのほうが好きなんですが、それは首元の汗や脂汚れがアウターにつかずに済むから。首回りがもたつかず、通常の襟型よりも着回しやすいと思います。」

『ラルフローレン』色落ちデニムシャツ

『ラルフローレン』色落ちデニムシャツ

「旬でもあり王道でもあるデニム素材ですが、パンツよりもシャツで取り入れるほうが好きです。上品にまとまる気がしますので。ウエスタンやワークのイメージが強いタイプが多い中、これはかなりシンプルなデザイン。

その一方、襟裏にチェック柄の生地が貼られ、襟を軽く立てるだけで着こなしのアクセントが作れます。もともとは丈が長かったので、自分でカット。切りっ放しのままでラフ感を楽しんでいます。」

『ジーユー』ウルトラコットTシャツ

『ジーユー』ウルトラコットTシャツ

「Tシャツはいろいろと買ってきましたが、ようやく見つけた納得のアイテムです。やや緩めのクルーネック、少しルーズなシルエット、ちょうど良い着丈、インナーでも1枚でも使えて涼しい薄さ、心地良い肌触り、吸水速乾や抗菌防臭という機能性、そしてリーズナブルな価格。自分が求めるすべての要素を網羅してくれているので、白、黒、ネイビーを複数枚ずつ所有しています。」

『ジョンスメドレー』コットンニットポロシャツ

『ジョンスメドレー』コットンニットポロシャツ

「上品な半袖トップスの筆頭がポロシャツ。その中でも『ジョンスメドレー』は、最高級素材のシーアイランドコットンを用いたニット生地がソフトで快適。見た目も上品です。

インナーでも1枚でも着回しやすく、スタイリングを大人なニュアンスに導いてくれます。ほかのアイテムと同じく、汗でぬれても目立たず落ち着きもあるという理由からネイビーをセレクト。」

『オーシバル』別注マリンシャツ

『オーシバル』別注マリンシャツ

「今年の夏も人気を集めたボーダーTシャツ。その中でもバスクシャツは、厚手の生地が特徴的です。ということで、ニット代わりに使っても便利。

白×ネイビーはマリンテイストが強くて春夏っぽい印象ですが、モノトーンの色使いなら秋でも使えます。さらにこの一着は『ビューティー&ユース』の別注品で、さり気なく周囲と差別化。太めのボーダー柄も新鮮です。」

『ザ・ノース・フェイス』パープル レーベル カーディガン

『ザ・ノース・フェイス』パープル レーベル カーディガン

「シンプルなカーディガンが1枚あるとかなり便利。そんなにかさばらないので、いつでもバッグに入れておいて寒くなったら羽織れるように準備しておくことができます。

また、肩掛けや腰巻きなどでコーディネートのアクセントにすることも可能。さらにこのカーディガンは、肩の切り替えが上半身を小さく見せてくれます。しかも、機能素材のクールマックスとコットンの混紡素材でけっこう早く乾きます。」

『テアトラ』デバイスクルーザー パッカブル

『テアトラ』デバイスクルーザー パッカブル

「残暑が厳しい日はショートパンツが必須。できるかぎり手ぶらでいたいので、収納力に秀でている『テアトラ』のアイテムを活用しています。このデバイスクルーザーはその名のとおり、iPadなどのデバイスが入る左右の大きなトートポケットが特徴的。雑誌なども収納できます。

内ポケットも豊富で、本当にバッグ要らず。もも回りが太く見えてしまうのは避けられませんが、近所やカジュアルなシーンで重宝しています。」

『グラミチ』別注ストレッチネルクライミングパンツ

『グラミチ』別注ストレッチネルクライミングパンツ

「可能なかぎりベルトも省きたいので、ウェビングベルトが付属しているクライミングパンツは結構着用しています。この一本は、セレクトショップ『チャオパニック』のハウスブランドである『インディゴス』がクライミングパンツの名門『グラミチ』に別注したもの。

適度にスリムなシルエットとチャコールグレーの色みで、オールマイティーにはき回せる仕上がりです。」

『ユニフォームエクスペリメント』ストレットコーデュロイリブパンツ

『ユニフォームエクスペリメント』ストレットコーデュロイリブパンツ

「自動的に裾がスッキリして見えるリブパンツもコーディネートの軸。これはブラックのコーデュロイ素材で、クールなムードと秋っぽい温かみが同居しています。スリムなシルエットも美しいので、着こなしが上品にまとまるのも魅力。

右脇のDカンが付いているのでウォレットチェーンなどが着けられるようになっています。スニーカーを合わせるのが基本ですが、スニーカーブーツにインすることも。」

『ナイキ』ナイキラボ リフト ラップ

『ナイキ』ナイキラボ リフト ラップ

「昨年は、エアリフトを多用していたのですが、今年はその変形バージョンであるリフト ラップを愛用。つま先が分かれていないので、より幅広いスタイルにマッチします。また、スニーカーは周囲とカブる可能性が高いので、周囲と差をつけるためにウィメンズ限定デザインのメンズ対応サイズを狙うこともしばしば。これもそんなアイテムで、当然ながら履き心地も抜群。かなり気に入っています。」

『アディダスオリジナルス』バイ『ホワイトマウンテニアリング』

『アディダスオリジナルス』バイ『ホワイトマウンテニアリング』

「スニーカーは履き回しやすいモノトーンが大半。さらに最近は、靴ひもを結ぶ必要がない着脱しやすいモデルを選ぶことが多くなっています。象徴的なのが、このコラボモデル。ブラックがベースなのでどんなスタイリングにも馴染みつつ、“WHITE”の文字やヒール部分のスリーストライプスがアイデンティティーを主張し、足元にアクセントも加味してくれます。」

『ルイ ヴィトン』マサイ ダミエ チェックストール

『ルイ ヴィトン』マサイ ダミエ チェックストール

「プロフィール写真でも使用しているストールです。2012年に『ルイ ヴィトン』のディレクターに就任したキム・ジョーンズ氏による1stコレクションのアイテムで、幼少期に住んでいたアフリカからインスピレーションを得た配色が特徴的。マサイ族の伝統的な衣装に用いられているチェック柄と、お馴染みの“ダミエ”を組み合わせたパターンが目を引きます。さまざまな要素を組み合わせているのにもかかわらず、必然的なデザインに落とし込んだクリエイティブが気に入っています。素材はコットン100%でマイルドな巻き心地。モノトーンやネイビーが多い着こなしの差し柄としても活躍してくれます。」

コーデサンプルに学ぶ。平 格彦 氏のワードローブ活用術

アイテム数は制限しつつも、自身のファッションを確立している平氏に、自身のコーディネートに通じるコーデサンプルを紹介してもらいます。シンプルなアイテムを着回すコツが満載の解説は、ミニマリストを目指す人はもちろん、そうではない方も注目です。

「カジュアルなセットアップに白いTシャツと白いスニーカーを合わせると、こんなイメージのコーディネートに。ネイビー×ホワイトという鉄板のカラーリングで清潔感も薫っています。セットアップを着崩すだけで、シンプルな着こなしでもこなれて見えるのがうれしいポイント。」

「ホワイトのバンドカラーシャツを中心に築き上げた大人なモノトーンスタイル。上品なイメージですが、足元がスニーカーなので今っぽいリラックス感も漂っています。シンプルで大人っぽいのに決め過ぎていないこんなバランスなら、センス良く見えるのではないかと思っています。」

「セットアップのジャケット、ボーダーカットソー、ショートパンツ、黒いスニーカーを組み合わせると、およそこんな雰囲気。残暑をショーツで緩和しつつ、ジャケット+ボーダーカットソーで見た目の爽やかさを加速しています。もちろん、大人な落ち着きも十分。」

「Tシャツにカーディガンを羽織るだけで大人なカジュアルスタイルに。パンツも落ち着きあるグレーなら上品にまとまるはずです。その半面、見た目や着心地が堅苦しくならないように足元はスニーカー。モノトーンの配色ならラフになり過ぎることもありません!!」

「個人的に好きな色というのもありますが、赤はモノトーンやネイビーによく映えるので差し色として有能。巻き物なら手軽に取り入れられ、存在感も抜群です。バンドカラーシャツとの相性も良好。ジャケットとの相性は、私のプロフィール画像を参考にしてみてください(笑)。ニットやアウターを含めた冬用のワードローブも、また機会があれば披露したいと思っています。」

平 格彦

出版社の広告部、編集部を経て独立。エディターやライターとして活動する。メンズファッションを中心にコラムなども幅広く手掛け、各種プロデュースや企画も行っている。

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