トレンチコートを3シーズン活用するための着こなし方

トレンチコートを3シーズン活用するための着こなし方

幅広く活用でき、多くの大人から愛されている定番アウターのトレンチコート。秋から春までどのように着こなせばいいのか、その取り入れ方を説明していきます。

平 格彦

2016.07.13

アウター
コート
トレンチコート

トレンチコートならではの、ほかにはない魅力って何だろう?

大人の着こなしで重宝するのはシンプルなコートですが、トレンチコートだけは別格。機能的なディテールが満載で、唯一無二の表情を振りまいてくれます。そんなギミックの起源は第一次世界大戦時のイギリス軍。野戦で塹壕 (=トレンチ) に身を潜める際に着用する防水型の軍用コートのために生まれました。

ディテールをあえて網羅すると、防水性の高い「コットンギャバジン生地」、防風性を高める「チンストラップ (チンウォーマー、スローとラッチ)」や袖先のストラップ、双眼鏡や水筒などの小物が落ちないように接続したり階級を表すバッジを留めたりする「エポーレット」、ライフルを支える箇所を補強しつつフロントを閉じた際にラペル先から雨が侵入するのも防ぐ「ガンフラップ/ストームフラップ (ショルダーパッチ)」などが代表的です。

さらに、雨などがコートに浸透してしまうのを防ぐ背面の「ストームシールド (アンブレラヨーク、ケープドバック)」、裾の可動性を拡張しながら防風性はキープする「インバーテッドプリーツ」、手榴弾や水筒といった軍事用品を下げるためにウエストベルトに採用した「Dリング」なども本格的ディテールに含まれます。

そんな機能的ディテールがデザイン上の独自性を主張してくれるのに加えて、フロントの閉じ方やウエストベルトの結び方などで着る人の個性も上乗せできる点がトレンチコートの魅力を高めています。トラッドな品格も感じさせるコートということで人気は広まり、今ではビジネスからレディースまであらゆるスタイルの定番コートとして確固たる地位を築いています。

シーズン別にチェック。トレンチコートのおしゃれな着こなし実例集

メンズファッションでは、とりわけビジネススタイルの定番として圧倒的な人気を誇るトレンチコート。だからこそ、オフで着こなす場合はどうやってカジュアルダウンするのかが重要なポイントです。秋から春までのシーズン別におすすめの着こなし術を提案していきます。

冬の着こなし編ライトアウターをインナー使いして防寒性と今っぽさをアップ!

トレンチコートを寒い冬に着こなす際は、防寒性を補完するようなレイヤードを意識するのがポイント。そこで取り入れたいのが、薄手のアウターをインナーとして転用する最近人気のスタイリング術です。保温性だけでなく新鮮味もアップしますので、実践しない手はありません。

薄手のダウンカーディガンやキルティングブルゾンなどは、インナーとして保温性を高めるのに最適。いわゆるインナーダウンも含め、表地がナイロン系素材のタイプを選ぶと、今っぽいスポーツテイストもMIXできます。タートルネックのニットやカットソーを組み込めば、防寒性はさらに向上。今どきなムードもいっそう高まります。

ライダースジャケットをインナーとして活用した好サンプル。トレンチコートで品格を確保しているため、ほかのアイテムがラフでも大人なムードにまとまっています。また、レザー製のアウターを差すとハードな印象になりがちなので、スウェット素材のイージーパンツでソフトなムードを加味してバランスを調整。

インナー使いが可能なライトアウターとして人気なのがGジャンです。 加工感のあるGジャンでラフに着崩すのが定番テクニックですが、こちらはネイビーのワントーンで上品にまとめた好例。タイドアップして大人らしい品位を上乗せしているのもポイントです。

春の着こなし編スウェットパーカーで春らしい軽快感や旬なスポーツテイストを加味

春らしい軽快でアクティブなニュアンスを打ち出して、ビジネスライムなムードを打破するのが春の最重要ポイント。上品なアウターをカジュアルダウンするのに最適なスウェットパーカーを活用するのがイチ推しです。人気が続くスポーツMIXなムードも演出できるので、ぜひともトライを!

トレンチコートを含め、王道カラーの定番アイテムだけでも無造作でスタイリッシュにコーディネートが築けるというお手本。ブラックのスウェットパーカーに加えて、デニムパンツ+スニーカーでも着崩し要素を加えています。春らしい爽やかなイメージをボーダー柄のカットソーを主張しているのもGOOD。

爽快感をカラーで生み出すなら、ネイビー×ホワイトが鉄板。そこで、ネイビーのトレンチコートにホワイトのスウェットパーカーを組み込み、春らしいコーディネートに仕上げています。パンツ&スニーカーをブランド系で統一し、大人な落ち着きと新鮮なムードが道経するバランスに仕上げているのが巧妙。

トレンチコートはベージュ、スニーカーはホワイトといった具合に、ほかのアイテムを定番カラーで揃えている場合に限り、スウェットパーカーのカラーで遊んでも問題なし。明るいグリーンをアクセントカラーとして効かせることで、フレッシュでスポーティーなニュアンスをブレンドしています。

秋の着こなし編あえてニットをさらりと組み込んで、こなれた大人な着こなしを構築

コーディネートの幅が広がる秋は凝ったスタイリングを築きたくなるでしょう。しかし、トレンチコートだけでも十分すぎるほどのポイントがあるのでほかのアイテムはシンプルにまとまるのが大人な着こなしのセオリー。無地のニットを合わせることで、トレンチコートのディテールを際立たせるのがおすすめです。

コート以外のアイテムをダークトーンで揃え、クールにカジュアルダウンしたスタイリング。ニットとスニーカーはブラック、パンツはネイビーを色みを変えることで、単調になるのを防いでいます。またコートだけが明るいトーンなので、トレンチならではのディテールを引き立てることにも成功!

トレンチコートはオリーブ、インナーのニットは明るめのブルーという色選びがポイント。スタンダードなカラーの中でも少し意外性のある色みをセレクトすることで、自分らしさを打ち出しています。すべてのアイテムでハズすのではなく、スラックスは王道のグレーを選んで大人な品格も確保。

人気が続いているタートルネックのニットは防風性も補完できる強い味方。トレンチコートとのセットで、大人なニュアンスを高めつつ適度なカジュアルテイストも感じさせる好バランスな上半身に仕上がっています。そのうえで下半身はカジュアルダウン。スウェット+スニーカーのセットでスポーツMIXを実践しつつ、ブラックの統一感でクールにまとめています。

厳選。シーズン不問で着回せるトレンチコート

『バーバリー』や『アクアスキュータム』がトレンチコートの王道。ただしほかにも、着回せる優れものをリリースしているブランドはたくさんあります。独断と偏見で選りすぐり、今おすすめのすぐ買えるトレンチコートを一気に紹介します!

アイテム1『グレンフィル』別注ケンジントン2

1890年に創業したイギリスの老舗コートメーカー『グレンフィル』の定番モデル、ケンジントンがベース。ブランドを象徴するグレンフィルクロスが、使い込むほどに味わいを増していきます。この1着は、ビームスの別注によってレングスを長めに設定。取り外し可能なライニングにはスコットランゴの老舗ファクトリーブランド『ベグアンドコー』のウール生地を使用しています。

アイテム2『バブアー』ウィットレイ

オイルドクロスのアウターで人気が高いイギリスの名門『バブアー』の、オーセンティックなトレンチコート。アーカイブのトレンチコートを復刻しているため、クラシックな風格を感じさせます。ゆったりとしたシルエットは大人の余裕を醸し、襟をコーデュロイで切り替えて重厚感も加味。

アイテム3『ラルディーニ』トレンチコート

テーラードジャケットが人気のイタリアブランド『ラルディーニ』ですが、トレンチコートの出来栄えも上々。オーセンティックなデザインを採用しながらも、モダンな着丈やシルエットを取り入れたバランスが絶妙です。素材はコットン100%。適度な厚みで3シーズン着回せます。

アイテム4『ブラックレーベル・クレストブリッジ』ギャバジンダブルトレンチコート

トレンチコートの王道、コットン素材のギャバジン生地を使用。本格的なディテールも採用しつつ、ミドル丈に仕上げることで幅広いコーディネートにマッチするように仕上げています。また、高い位置でウエストをシェイプしたシルエットが脚長効果も発揮。着脱可能なキルトライナーには象徴的なクレストブリッジチェックを採用しています。ブリティッシュな要素にトレンドを融合したデザインを提案するブランドらしい1着です。

アイテム5『リチウム オム』オルメテックス ラグランスリーブ ロングトレンチコート

着る人のパーソナリティや存在感を大切に考え、ミニマルなデザイン、新しいカッティング、シルエットへのこだわりを重視したアイテムを展開する『リチウム オム』。このコートも、本格的な仕様を踏襲しながら洗練された印象に仕上げています。表地はイタリアの名門による上質なコットン生地で、裏側には脱着できるチェック柄のライナーが付属。襟にはチンストラップを備え、襟が立ちやすい工夫もと取り入れています。

アイテム6『ユニフォームエクスペリメント』ミリタリートレンチコート

実験的プロジェクトとしてスタートした『ユニフォームエクスペリメント』は、新規性と継続性を兼備した孤高のプロダクトを提案しています。このトレンチコートも正統派のミリタリーディテールを踏襲しつつ、現代的なシルエットでアップデート。バックネック部分にブランドロゴの刺しゅうを入れることで、ほかにはない個性もプラスしています。

アイテム7『ラウンジリザード』ストレッチツイル×リペル加工 トレンチコート

着る人の個性を引き立てる余地を残したデザインを得意とする『ラウンジリザード』のトレンチコートは、持ち前の美しいシルエットが魅力。適度にシェイプしつつも、どんな着こなし方でも美麗なフレアが出るAラインを追求しています。大きめの襟がクラシックなムードですが、素材はモダンで高機能。コットン×ポリエステルのストレッチツイルクロスにリペル加工を施して撥水性を付加しています。

アイテム8『ヒステリックグラマー』CR/トレンチCO

1960〜70年代のロック、アート、ポルノグラフィといったサブカルチャーな要素を取り入れつつ、素材や加工などまで徹底して作り込んだプロダクトが人気の『ヒステリックグラマー』。重要な要素のひとつであるミリタリーが出自のトレンチコートも圧巻の出来栄えです。ベトナム戦争当時に使用されたコートのアーミーサテン生地を再現。薄く軽量化することで着こなしやすく仕上げ、旬なビッグシルエットでトレンド感も強調しています。

アイテム9『ビームス プラス』トレンチコート

“永年着られる飽きのこない本物の男服”をコンセプトに掲げる人気レーベルらしいラギッドなムードの1着です。デザインのベースは1960年代のヴィンテージ品。注目のファブリックメーカー、小松精練のナイロンツイル生地を起用することで重厚な見た目と軽量性を両立し、コットンライクな風合いまで獲得しています。さらに、透湿、撥水、防風、ストレッチ性を兼備する高機能素材のサイトスも内蔵。

アイテム10『グリーンレーベル リラクシング』オルメテックス ギャバ トレンチコート

イタリアの高級生地メーカー、オルメテックス社の生地は撥水性を備えつつエレガントな面持ち。実際に着回しやすい現代的なデザインは『グリーンレーベル リラクシング』らしい仕上がりです。中綿入りのキルトライナーはデタッチャブルで、温度調整も可能。オンからオフまで、3シーズン活用できる逸品です。

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