日本が誇るメガネ産地。福井県鯖江市のフレームに注目

日本が誇るメガネ産地。福井県鯖江市のフレームに注目

日本製メガネといえば、世界の三大産地として知られる福井県鯖江市を連想する人は多いはず。ここでは、世界から絶賛される逸品にこもる、意匠の片鱗に触れていこう。

菊地 亮

2016.02.11

アイウェア
メガネ
MADE IN JAPAN・国産

鯖江市とメガネの関係とは

いまや全国のメガネフレームの生産において95%のシェアを誇る同地。その歴史は古く、1905年にまでさかのぼる。農閑期の副業として、増永五左衛門が少ない初期投資で収入が見込めるメガネフレーム作りに着目。その技術を持ち込んだのがはじまりとされている。以降、“帳場”と呼ばれる職人グループごとにアイテムは作られ、互いに切磋琢磨しながら技を磨いたという。そして戦後、大幅に需要が伸びたこともあり、一大産業へと発展を遂げた。

鯖江市のメガネが誇る3つの魅力

「メガネといえば鯖江市」というフレーズを耳にしたことはあっても、その実態に触れたことがない人もいるだろう。そこで、鯖江市で作られるメガネの魅力を紹介する。

魅力1:世界に誇れる技術力と革新性

イタリアのミド展やフランスのシルモ展など、世界最大規模のメガネ見本市で賞賛されるのはその技術力。80年代、軽くて丈夫なうえにアレルギーも起こしにくい金属チタンメガネフレームの製造をはじめて確立したのはあまりにも有名。ふんわりとした柔らかな雰囲気に仕上げるセル磨きの技術は、世界でも真似のできない唯一無二の技術として知られている。

魅力2:珍しい素材のフレームを生み出す高い技術力

メガネフレームに使われている素材は、アセテートやセルロイド、チタンが一般的。世界でもそれらの素材を軸に作られている。しかし、鯖江の匠の技をもってすれば、意外な素材もフレームの材料になりえる。たとえば、竹や木といった自然素材。柔軟ではあるものの、成形性が難しい素材でも質の高い一本に仕上げられるのだ。

魅力3:安定した人気を誇るブランドが存在する

鯖江では、主にオーダーに沿って仕上げるOEM生産が主流だった。しかし時代の流れと共に生産を中国で行うブランドや企業が増加。それを機に“作る産地”から“売る産地”へと転換を図り、質が高くデザイン性にも秀でたブランドが数多く誕生した。いまや国内にとどまらず世界からも注目を浴びる存在に。

ブランド1:『ジャポニズム』

メガネフレームのデザイン企画、並びにアパレルメーカーやメガネ商社のOEMも数多く手がけてきたボストンクラブ社。その経験を武器に、“日本的モダン”をうたい1996年に国内最大級の展示会、IOFTにて発表されたのがこの『ジャポニズム』。19世紀末に日本美術が欧米に影響を与えた歴史を表現した“ジャポニズム”に由来されるように、そのさり気ない美しさは瞬く間に話題となった。また、高い機能性が自然な形状に落とし込まれたフレームは多くの注目を集め、いまなお存在感を高めている。

アイテム1『ジャポニズム』JN-578

掛け心地を徹底的に追求したモデル。丁番の位置、テンプルのバネ稼働部分を極力内側へ配することで最良のフィット感を実現。

アイテム2『ジャポニズム』JN-580

レンズ上にチタン製のワタリを取り入れたことでフレームの存在感をアップ。ブランド独自のアンダーリムナイロールもポイント。

アイテム3『ジャポニズム』JS-111

ビジネスでもカジュアルでも使えるウェリントンタイプ。フロントとテンプルが異素材で仕上げられており、上質な表情が魅力。

ブランド2:『カズオカワサキ』

医学博士でもあり、世界的にも名の知れた工業デザイナーの顔ももつ川崎和男氏。彼の感性と、福井メガネの魅力を世界へ発信し続ける老舗、増永眼鏡の技術力を結集したブランドがこの『カズオカワサキ』だ。“スマート&ハイテクノロジー”をコンセプトに、使用するパーツ数を最小限にとどめながら機能性と、ビジュアルをシンクロさせた逸品は日本の誇りといっても過言ではない。主要マテリアルには、軽量なうえに人体へもやさしいチタンを採用。次世代メガネの旗手として、その注目度は年々高まっている。

アイテム1『カズオカワサキ』MP-100

クリングスは変形に強いβチタン材をロウづけ。テンプルエンドには柔らかく滑り止め効果もあるシリコンモダンを施している。

アイテム2『カズオカワサキ』MP-920

川崎氏が8年の歳月を費やし完成させたフレームに、負荷を掛けさせない構造やアンテンション機構を搭載。こちらはその進化版。

アイテム3『カズオカワサキ』MP-960

強度としなやかさを兼ね備えたシートメタルフレームに、ブランド独自のジョイント機構を取り入れたことで掛け心地は実に軽快。

ブランド3:『金治郎』

増永金治郎氏は鯖江にて半世紀以上にわたり、磨きの工程一筋を貫いてきたまさに職人中の職人。メガネブランドの『金治郎』は、ひと昔前まで主流だったものの、近年では希少とされるセルロイドを復刻する際に彼の功績と世界に誇れる匠の技に敬意を表し立ち上げられた。長年にわたり突き詰められてきた名人の魂と情熱は、美しく光り輝くブリッジやテンプルなどの洗練されたビジュアルにも表れ、希少カラーの生地やクラシカルな7枚丁番も“ならでは”のディテールが。カシメの飾り部に施した10K飾りに高級感が漂う。

アイテム1『金治郎』MK-006

ガッシリとした重厚な趣と、磨きによって最大限に引き出されたセルロイドの美しさが際立った逸品。丁番部の銀細工も効いている。

アイテム2『金治郎』MK-016

ハンドメイドを感じさせる温もりとクラシックな佇まいが威厳たっぷり。テンプル裏のゴールドデザインもさり気ないアクセントに。

アイテム3『金治郎』×『キャサリンハムレットロンドン』

べっ甲のフレームは磨きの技術によってさらに洗練された印象に。リム部分のカッティングの精巧さも特筆すべき点といえる。

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