一緒に年を刻める素材。ヌメ革で選ぶおすすめ財布ブランド

一緒に年を刻める素材。ヌメ革で選ぶおすすめ財布ブランド

革の醍醐味は、使い込むほどに出てくる味。つまり、経年変化です。それを最大限に楽しめるのが、ヌメ革の財布。もはやアイテムというより、相棒って感じです。

MASAFUMI YASUOKA

2018.03.15

財布・ケース

時間をかけて共に成長できる素材、ヌメ革

ヌメ革とは、植物の渋に含まれるタンニン、つまりベジタブルタンニンでなめしただけの革のこと。繊維が詰まり堅く丈夫な半面、革のナチュラルな質感を楽しめるのが特徴です。最大の見どころは、表面に何も加工がされていないこと。型押しはもちろん、染色さえも行われていません。それにより、太陽の光や手の油などで変色を起こしますが、それこそがヌメ革の神髄。使い込むほどに飴色へと変化し、オンリーワンな存在となるのです。ヌメ革の経年変化を表す言葉として“育つ”がよく使われますが、これぞ言い得て妙。使う人によって異なる色合いや艶感を見せるヌメ革は、まさしく時間をかけて共に成長する相棒なのです。

ヌメ革の財布を持つということ

ヌメ革を使ったアイテムは多くありますが、中でももっともその魅力を堪能できるアイテムといえば財布でしょう。日々使い、日々手で触れ、日々パンツやバッグに擦られる財布は、数あるアイテムの中でもより如実な経年変化を楽しむことができるからです。それだけに愛着もひとしお。繊維が詰まった丈夫な革だけに、メンテナンスをすればそれだけの使用にも耐えられます。

タフで、完璧じゃないからこそ愛おしいヌメ革の魅力

経年変化、耐久性、ナチュラルな風合い。そんなヌメ革の魅力を、項目ごとにさらに深掘りしていきたいと思います。その魅力を知れば知るほど、ヌメ革こそが革製品の神髄であり、長きにわたって使うにふさわしい素材であるとわかるはずです。

魅力1傷や染みも味になる、唯一無二の経年変化

一般的な革は、なめした後に染色や加工によって仕上げられます。しかし、ヌメ革はそれらを一切行わない、いわば素の状態となります。水や油がつけば染みができ、傷もつきやすい。さらには、日光に当たるだけでも色の変化を起こします。つまり、日常で使うだけで自然と経年変化を起こし、味のある顔つきに育ってくれるのです。

魅力2長年の使用に耐えうる優れた耐久性

なめした後に、さらに手を加え柔軟にする工程を行わないヌメ革。繊維が詰まっていることもあり、非常に丈夫な革として知られています。それはつまり堅い革ともいえるのですが、使い込んでゆくと繊維がほぐれてやわらかくなり、いわゆるなじみが生まれてきます。また、手で触れたりするうちに、その摩擦によって含まれる油分が抽出。それが磨かれることで革表面を覆い、日光や水、油などへの耐性ができてきます。

魅力31枚1枚が個性にあふれた、自然な素材感

表面加工を施さないヌメ革は、皮本来の風合いをそのまま楽しむことができます。中には、表面加工を施した革と遜色ないほどキレイに仕上げられているヌメ革もありますが、その多くは原皮のシワや傷、血管や毛穴までも見ることができ、それが個性となってくれます。それを指して、自然の刻印=ナチュラルスタンプと呼ぶ人も。ヌメ革においては、傷はむしろ魅力のひとつとされているのです。

若いうちから育てたいヌメ革の財布ブランド8選

いかがでしょう。ヌメ革の財布って、知れば知るほど手に入れたくなる革だと思いませんか? とはいえ、長く愛用するつもりなら、その作りにおいてもちゃんとしたものが欲しいですよね。そこで、ヌメ革財布にひとかたならぬこだわりと愛情を注ぐブランドの8つのアイテムを、厳選して紹介しましょう。同じ時間を過ごすほどに成長する逸品は、思い立ったときに手に入れるのが得策です。

アイテム1『土屋鞄製作所』ナチューラ ヌメ革Lファスナー

ランドセル作りに端を発する、1965年創業の老舗『土屋鞄製作所』。ヌメ革シリーズの「ナチューラ」からリリースされたこのL字ファスナー財布は、ヌメ革本来の質感をより楽しんでもらえるようにと、厚手のものを採用。日常使いに手頃なコンパクトサイズながら、手に持った感じはしっかりとした存在感を主張します。

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アイテム2『ブリー』長財布 小銭入れ付き

高品質な天然革使いに定評のあるドイツ生まれの『ブリー』。ヌメ革を使った「ネイチャー」シリーズからリリースされたこのロングウォレットは、ヌメ革の美しさを引き立てるシンプルデザインも見どころ。カードポケットを13も採用していながら2cm程度と厚みが抑えられており、ビジネスユースにもなじんでくれます。

アイテム3『ガンゾ』ミネルバナチュラル 2つ折り財布

2001年に創業と日本の革小物ブランドの中では若い部類ながら、素材の質の高さと縫製の頑強さからレザーマニアにも高い評価を受けている『ガンゾ』。それもそのはず、基盤となるファクトリー自体は100年以上続く老舗で、抱える職人の実力も折り紙付きです。イタリアの名門タンナーのミネルバボックスレザーを使用した二つ折り財布は、『ガンゾ』ならではのコバの美しさにも注目です。

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アイテム4『イルビゾンテ』オリジナルレザーウォレット

日本同様に優れた革ブランドが多くある、イタリアはフィレンツェ発の『イルビゾンテ』。この二つ折りウォレットでは、血筋が見えるヌメ革の風合いはもちろん、がま口を採用したユニークなデザインが見どころに。フラップ付きポケットと札入れ、カードケースに加え、がま口ポケットが取り出しの頻繁なものの収納に便利です。

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アイテム5『アメリカンラグ シー』ヌメ革 ショートウォレット

セレクトショップの『アメリカンラグ シー』が展開するオリジナルブランドからリリースされた、コンパクトウォレット。スマホの進化によって財布も薄く小さくなっている傾向にある中、W11×H7.5×D2cmはまさにちょうどいいサイズ感。ゴールドカラーのジップは、飴色に経年変化したヌメ革と好相性です。

アイテム6『エンダースキーマ』ロングジップパース

ジェンダーレスなデザインを提案するジャパンブランドの『エンダースキーマ』。そのブランドコンセプトどおり、このジップ式長財布も性別どころか年齢もスタイルも選ばない、実にニュートラルなデザインになっています。ヌメ革使いに定評があることでも知られ、こちらでは国産の上質なカーフヌメ革を採用しています。

アイテム7『シュペリオールレイバー』ロングバジェット

丈夫で長く使えるものを、MADE IN JAPANにこだわり製作する『シュペリオールレイバー』。フラップタイプの長財布となるこちらは、繊維の粗い部分を落とし上質な部分のみをなめしたベリーと呼ばれる革を採用。それをヌメ革にしています。見た目はそれに反して武骨な印象に仕上げているのが、男心をくすぐります。

アイテム8『タズネ』LONG WALLET 2/333TZN058

ボディと同色のスナップボタンがアクセントとなる新鋭ブランド『タズネ』のロングウォレット。真っ白なヌメ革から1度日光浴を経た、ヤキヌメと呼ばれるカラーが素朴な味わいを漂わせています。内部にはDカンも取り付けられており、ウォレットチェーンやストラップを吊すことも可能です。

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ヌメ革製品と長く付き合うために、最初に日焼けを

自然にまかせた経年変化が好き。そんな人も多いでしょうが、せっかく長く付き合っていくのなら、より美しい飴色に育ってもらいたいもの。そのための基本となるテクニックを、お教えしましょう。まず、購入して行うのが日光浴。使う前に、1週間程度窓際に置いてまんべんなく日に当てましょう。それだけでもきつね色へと変化するはずです。これが、将来の飴色の下地となります。それが終わったらヌメ革用クリームを塗布。日光浴で乾いた油分を補給してあげます。そして最後に防水スプレーをかけて、不意の水染みを防ぎます。少々面倒ですが、手間をかけた分だけ応えてくれるのがヌメ革の魅力です。

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